21 本当だよ[主人公side]
[主人公side]
「紗那は……危力系だもんね?」
「な…っ」
「え……」
「紗那が……危力…?」
"危力系は、反アリス学園組織"
そういう固定観念が仇となって一気に私に襲い掛かる。
裏切られた瞳
絶望の瞳
敵対する瞳……
…
仲間なんて、いなくなっていた。
「本当…なのか?」
『……っ』
「…藍原」
「本当だよ」
何も言えない私に代わり、不二先輩が喋り始める。
「表向きには特力だけど、裏向きには危力……つまり、紗那は危力系が特力に送り込んだスパイさ。いざとなったら危力へ寝返って君たちを襲うつもりで…」
『
違う!!!』
違う、違う違う違う違うちがうちがう!!
私は、そんなことをするためにここに来たんじゃない!!
『私は特力です!! 危力のスパイじゃない!! 危力のスパイだったら今頃は皆を…――』
皆を…足止めしたり…して……
…ま、さか……
『
不二先輩が……危力系……?』
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