20 絶対に、[日吉side]
財前と俺が畳み掛ける。
重い沈黙。
……すると、跡部さんが くっ と笑い、俺と財前を睨んできた。
「何――」
「どぅわ!!?? な、何や、体が!!」
「っ、!」
突然、遠山の体が勝手に動き、財前の体を押さえ付けた。
俺の体は樺地に押さえ付けられた。
「っ、何やって、」
「おっと、動くなよ」
ピシ……と、全員の動きが止まった。
何だ……?
「意外に効くの早かったわぁ……さっきの実はな、"アリスを抑える"実なんや。よく俺らが食ってへんことに気いついたな、財前」
「っ、当たり前や。"実"の話を出した時から怪しいと思っとったんや」
遠山に押さえ付けられ、財前はだいぶ苦しそうだ。
「……何者だ」
「俺たちはね……」
「待て、鳳。こいつらに当ててもらおうじゃねーか、アーン?」
跡部さんは右手を前に出し、何かを握るように手を握った。
「っ、」
「っ!」
それと同時に、体を押さえ付ける力が強くなる。
「財ぜ、」
「わかっ、とる。体が、勝手に動くん、やろ、?」
押さえ付けられている部分の骨からミシミシと嫌な音が聞こえる。
「安心しい。絶対、助けたるわ」
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