10 初めてやな!
「紗那っ!!」
『、蜜柑』
「
初めてやな名前呼んでくれたんっ」
今はそれどころじゃないんだってば。
「紗那は初等部の方行くん?」
『うん』
「せやったら、蛍とか委員長とか棗とかルカぴょんとかよーちゃんとか心読みくんとかキツネ目くんとかパーマとか野々子ちゃんとかアンナちゃんとか蛍とか蛍とかによろしゅーな!!」
はぁはぁと息を整える蜜柑。
もしかして…
『こういうの初めて?』
「っ、紗那かてせやろ」
『残念。私はこういうの慣れっこ』
「え、わっ」
私はぎゅっと蜜柑を抱きしめた。
「え、な、何、紗那…?///////」
蜜柑…
私の……従姉妹…
柚香姉の……娘…
…もう、二度と会えないかもしれない…そんな予感がよぎる。
『大丈夫。蜜柑なら』
「せ、せやろか…?」
『うん。きっと…』
蜜柑…あなたのお父さんが守ってくれる。
「きっと…?」
『きっと大丈夫。さ、早く行きな』
「…うん! ありがとう紗那!! 元気出たわ!! 紗那、無事でな!!」
『うん、蜜柑も、無事で』
…じゃあね、蜜柑……
蜜柑を切なそうに見送る。
『……よしっ!! 行こう!!』
闘いは
今
始まったばかり
「今こそ、実行の時」
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