05
(takao side)

 高校に入学して2週間、学校生活も私生活(裏関係)でも何事も問題なく過ごしている俺と綱吉。正直俺がマフィアの一員になるとか、非現実すぎて今でもたまーに信じられねーわ!だけど綱吉には相手に仕えたいというか、ともに歩きたいと思わせる力がある。俺と同い年で、普段は穏やかでちょっとドジな奴だけど俺の立派な大空様である。

 2週間たって部活にもだいぶ慣れてきた綱吉は、今日も部活後の自主練に参加している。元々俺の護衛を条件にこの高校へ入学しバスケ部に入部した綱吉は俺がいないと帰れないことになっている。ぶっちゃけ俺がいなくともマフィアに襲撃されたって絶対に大事にならないと思う。初日のクラス分けテストで驚異的な体力を不本意ながら晒してしまった綱吉は、隠すことをあきらめて自主練も参加することにしたらしい。ちなみに一年で自主練をしているのは俺、綱吉、そして緑間真太郎だけだ。
 緑間真太郎、通称真ちゃんとは俺個人的に張り合うように練習をしていた。中学時代、それはもうボロボロに負かされた相手とクラスもチームも一緒になり、まじかよこいつチームメイト?!とかいけ好かない奴だと思っていた。張り合って練習するうちに、こいつのストイックさだとか、占いにまで執着して勝利を求める姿勢だとかが見えてきて。しかもキャラとか語尾とかウケるし!認めさせたくて張り合って、ふざけて真ちゃんなんて呼ぶようになって、今では進んでちょっかいをかけにいく相手である。

「しーんちゃん、何見てんの?」
「・・・あいつだ。」
「んあ?綱吉?」

 珍しくシュート練の手を止めてる真ちゃんの目線の先をたどると、黙々とドリブルをついている綱吉の姿が。綱吉は2週間の内に着々とバスケの技術を身に付けている。前に俺が基礎中の基礎を教えたことがあるし、運動神経も悪くない綱吉の上達は目に見張るものがあった。綱吉は一度やると決めたことに手を抜く奴ではない。あ、リボーンから一軍になれとのお達しもあったな〜。まったく俺の周りはストイックな奴が多い。

「あいつは、おかしな奴だ。」
「は?」
「体力、反射神経。そしておそらく動体視力も異常なのだよ。」
「(ひゃー、よく見てんな・・・)」
「なにより、あいつは見た目にそぐわない強者の雰囲気がある。なのに初心者とはおかしいのだよ。」

 珍しく饒舌な真ちゃんの言葉に内心舌を巻く。おそらく綱吉のそれはバスケとは縁遠い、命がけの修行と実際の戦闘で身に着けたものだろう。俺も何度か修行は受けたし戦闘にもでたけど、アレは部活の比ではない。何度死にかけたかわからないし、今バスケを続けていられるのが奇跡と感じるくらいだ。そんなものを綱吉はかれこれ2年以上は続けてきている。そりゃ、人並み外れるのが当たり前だ。実際、俺も修行や戦闘のおかげで体力そのたもろもろアップしたけど、隠してしまえば分らないだろうし、キセキの世代に異常といわれるほどではない、と思う。

「お前らなにとまってんの?自主練しないなら帰れよ」
「宮地サン!いやー、ちょっと休憩してて!」

 練習を止めている俺らが気になったのかスタメンである三年の先輩、宮地さんが笑顔で怒りながらこちらにやってくる。マジでこの人こえーんだよなぁ。190p超える高身長に金髪、さらにはベビーフェイス(本人に言ったら殺される・・・)というこのイケメンな先輩、絶対モテるよなぁ。ドルオタだけど。イケメンドルオタってギャップありすぎ!秀徳ってキャラ濃い人多くね?!

「おーい高尾、お前失礼なこと考えてね?」
「い、いや!まさかぁ〜!」
「つーかさっさと練習戻れ!パイナップルで撲殺すっぞ!」

 宮地サンの物騒な物言いに反射的に反応し練習に戻ろうとした俺。そしてドリブル練習をしていたはずだけどボールを飛ばしてこけた綱吉。ははーん、あいつパイナップルに反応したな?確かにあの特徴的な頭を見たらナッポーには反応しちゃうだろうけど。いきなりこけた綱吉に何事かと注目が集まる。はたから見ればおかしい現象だもんな。

「ぶほっ!!綱吉なにこけてんのwww」
「あはは・・・手が滑った勢いでこけたみたい。」
「おい沢田!自主練だからって気抜くなよ!」
「は、はい!」

 宮地サンから綱吉にヤキが入ってあわただしく練習に戻る。うん、平和っていいな〜と思う俺は結構ボンゴレに毒されてる。俺から見て、綱吉が1軍入りするのはそう遠くない未来だと思う。ポジションとスタイルが決まって上達すればベンチ入りも目じゃない。なんたって俺の大空だからな!




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