せっかく久々に会えたというのに。

なんでこう、私は運が悪いのか。





何週間かぶりに、Lに会えたというのに。
私はというと、風邪を引いてしまった。

移しちゃいけないとしたマスクで、当然ながらすぐバレて、無理矢理休まされているのが今の状況だ。


「え、える…私大丈夫だから、元気だから、けほっ。」
「リノ、嘘ならもっとマシなのをついてください。」
「げーーんーーきーーぃ、ごほっ。」
「…無駄に喋ると治らなくなりますよ。」
「だって、Lともっとお話したいし、遊びたいし。」
「仕方のない人ですね。」


Lは大きめのこのベッドに横になり、私の髪をそっと撫でる。
暖かい手の温度がじんわりと伝わってきて、それに暫く酔いしれた。

「眠るまでここにいてあげます。睡眠は大事ですよ。」
「Lがそれをいうの…」
「特大サービスしてあげます。」
「ん…」


抱き寄せられ、ふわりとLの香りに包まれる。
少し甘くて、良い匂い。


「L、あのね。」


「何ですか?」


「大好き。」


「知ってますよ。」


「Lは?」


「それ以上に好きです、私は負けず嫌いなので。」


「ふふ、じゃあ私ももっともっと大好き。」


「残念です、私のほうが好きですよ。」


こういう、ちょっと馬鹿みたいな、でも幸せな会話をLとするのが好き。

愛されてると、常々感じる。


「ほら、寝ないと。治りませんよ。」

「だってーもったいなくて…もっと話したいのに…」

「ワガママな姫ですね。」

「えへへ、姫だって!えへへ…!」 

「なに笑ってるんですか。」

 
そう言っているLだって優しく笑ってる。



「リノが寝てる間に仕事を全て終わらせてあげますよ。」

「えっ、ほ、ほんと?」

「起きたら話せるし遊べます。だから安心して眠ってて下さい。」

「L大好き!!」

「だから知ってますって。」




おやすみなさい。



額にキスを落とされ、私は今度は眠り姫へと変わった。
目を覚ませばこの幸せの続きが待っている。


そして眠りの世界へと。
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