夜の12:00を回った頃。
リノはマットに抱かれて、ベッドに横たわっていた。
正確には、抱き締められながら寝転がっている。

時折、マットは愛しい彼女の髪に顔を埋め、甘い香りを楽しむ。
くすぐったい、とリノは身をよじっていた。


ふと、リノは思い付いた。
マットの官能的な表情をみたい、と。

というのも、普段のセックスのときは気持ちよすぎて、マットの顔を見る暇がないから。

この状況を利用して、マットの感じてる様子を見ようというわけだ。


「マット…?」
「んー?」

返事をするマットは、明らかにご機嫌。

「今機嫌いい?」
「自分の女を抱き締めてて機嫌悪い男はいねぇだろー?」
「じゃあさ、こんなことしても怒らない?」

するりと、手をマットのズボンのチャックに這わせて開き、そこを優しく撫で上げる。

「っあ!?ちょっ…な、何してんだよ!?」
「マットが気持ちよくなるところ、みたいな〜。ダメ?」
「だ、だめ!フェアじゃないだろ…ッ」

顔を赤らめて抗議するマット。
駄目と言われると余計したくなるのが人間。


リノは手を止めることはせず、そこをゆっくり撫で、先端を親指で軽くこねる。

「っはぁ…ッ、ほんと、ダメだって…ッ」

だんだん息が荒くなるマット。

「ダメなの?すごく硬くなってきてるのに…?」

わざと耳元で囁くように。

マットは唇を軽く噛んで、耐えようとしている。


「強情だなぁ。」


リノはガバッと起き上がって、ベッドの下の方へ移動する。

「リノちゃん!?な、何するつもり…」
「耐えられなくしてあげる。」


半ば無理やりに、マットのズボンと下着を下ろして、熱く硬くなっているそこをくわえる。

「っぁ…ッそれ、やばいって…ッ」

まずは先端を、チロチロと舐める。
ベッドの端に凭れているマットは、もう抵抗する余裕がないようで、声を噛み殺していた。

次に深く口に含む。
舐め上げるようにゆっくりと口を上下させると、時々マットが体を揺らす。

「ん……まっと、きもちい…?」

コクコクと必死に頷くマット。
それが可愛くて仕方なくて、更に舐めていく。

「あっ…は…ッ…リノ、俺もう無理だから…ッ」

マットが顔を離すようにとリノの頭をぽしぽしと叩くが、一向に離す気配がない。

「リノ!?ほんと、我慢できな……ッはぁ…っ」
「いーよ、出して?」

そう言うと、マットは目を瞑って、吐息混じりに短くうめいた。


「……したがにがい」
「当たり前だろ…もー、ぺってしなさい。」
「んー……」


ごきゅん


「うぁ、もっと苦くなった。」
「………ばか…」

右手で顔を押さえるマット。

「えへへ、マットのえっちな顔みれたからいーの。」

マットは急にリノの腕を引き寄せて、自分の体に体重をかけさせる。

「リノこそ興奮してんじゃん、俺なにもしてないのにこんなにびっしょり。」

「んっ…ぁ、…マット…!」

「口もいーけどやっぱり…ね?」




二人の夜はまだまだ続いたのだった。
その顔が見たかった
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