おかしなサンジ


うーん。サンジのやつ、とうとうおかしくなっちまったのか?

何でおれなんか抱きしめてるんだよ。



夜中に腹が減って目が覚めたから、キッチンに行って何か食べようとしたんだ。当然、盗み食いをするつもりで。そうしたら、キッチンにはまだ明かりが点いていて、ドアを開けたらサンジがいた。
だからおれは正直に「腹が減ったから何か食わせろ」て言ったんだ。
ため息をつきながらも作ってくれたのはパンケーキで、それはすんげぇ旨かった。だから、あっとゆう間に食べ終えちまって。
ごちそうさま、ありがとう!て立ち上がりながらサンジに言ったら、今まで見たことないような優しい顔でじっと見てくるから、何だか恥ずかしい気持ちになって下を向いたんだけど。

そうしたら、ふわって。
頭撫でられて。
思わず顔を上げたら、やっぱりさっきの優しい顔したままのサンジと目が合った。
そのまま目が逸らせなくなって、暫く見つめ合う状態だったんだけど、その間もサンジはおれの頭を撫でていて…。
何だか撫でられるのは気持ちがいいななんて思ってたらサンジが聞いてきた。

「抱きしめてもいいか」…て。

え?何言ってんだ?て当然思ったけど、殆ど無意識に頷いていた。



そんなことがあって、今おれはサンジに抱きしめられている。
ぎゅうって力強く。
だけど力任せとかじゃなくて、力強いけど、壊れ物を扱うみたいに優しさがあった。
抱きしめるとか抱きしめられるとか、今までだってしたことはあるけど、こんなのは初めてだからなのか何だかドキドキした。

「…サンジ?」

「何」

会話もその繰り返しだけ。
一体どうしちまったんだ?
おれも何でこんなにドキドキしてるんだ?

…あ。
サンジもだ。サンジもドキドキしてるのが聞こえる。

「サンジ」

「何」

「サンジ、心臓がすげぇドキドキいってる」

「うるせぇ」

「おれもなんだ。一緒だな!」

そう言ったら、サンジが抱きしめていた腕の力を緩めておれを見た。少し驚いた顔してる。

「ルフィ」

「何だ?」

サンジが少し躊躇うように聞いてきた。

「キスしてもいいか」…て。

おれはやっぱり無意識に頷いていて、そしてそれからサンジにキスされた。




うーん。サンジのやつ、やっぱりおかしくなっちまったのか?

何でおれなんかとキスしてるんだよ。

あぁ、おれキスするの初めてなんだけどなぁ。
それを言ったら、サンジは嬉しそうに笑って、またおれを抱きしめた。

やっぱりおかしいよサンジ。
何でそんなに嬉しそうなんだ?




でも、おれもおかしいのかも。
だって嫌じゃないし、さっきからドキドキしたのが止まらないんだ。





END


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