confiserie

キスをした唇が驚くほど甘くて

「お前盗み食いしただろ」

と問えば

「失敬だな。何も食べてねぇぞ」

そう返された。

おかしい。
確かに甘さを感じたんだが。
料理人であるこのおれの舌が間違えるはずがない。

「ルフィ。もう一度キスしていいか」

そう問えば

「おぅ」

と少し照れたような笑顔で返された。


重ねた唇はやはり甘くて、砂糖菓子のようだった。
柔らかな感触も相俟って、とろとろと溶けそうな錯覚に陥る。


唇が少し離れ、ルフィが問う。

「サンジの唇、甘い。おれに隠れて何か食っただろ」

「…何も食ってねぇよ」

そう返し、そうか、変だなと呟いた唇にまた唇をを重ねる。



「サンジって美味しい。たくさん食べさせて?」

蕩けるような目で、口調で強請られて。

「もちろん。おれはコックだ。一生食わせてやる」

そう返し。
それから

「おれもお前をずっと食っていたい。コックも腹は減るんだ」

強請ってみれば。

「うん。食べてサンジ。サンジにたくさん食べさせたいし、食べられたい」

そう返された。





なんて甘い甘い貴方の唇。
極上の唇に、極上の笑顔。

貴方は全てが甘くて全てが極上なんだろう。


もっともっと味わい尽くしてあげよう。
腕によりをかけて、更に美味しく調理してあげよう。

一流の料理人の名にかけて。




END


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