フッタンジャナイノ。
ワタシガ、フラレタノ。



にわかに信じがたい事実を、チャンドラは頭の中で整理した。

振られた?
ミリアリアが??

――ディアッカに――??

「ずっと……すれ違い、だったんだ」

言って彼女は、寂しげに空を見上げた。
青く透き通る空に、あの頃を思い出す。

「あんなに反対したのに、ディアッカは結局、ザフトに戻って……」

チャンドラも、その辺の事情は知っている。ヤキンの戦いが終わってから、ディアッカはザフトに戻るか悩んでいた。それを――ミリアリアがいつも反対していた風景は、まるで昨日の出来事の様に覚えている。



――ミリィが駄目って言うなら、仕方ないか。



彼の知るディアッカは、そんな言葉で望郷の念を封じ込めていたが……最終的に、戻ってしまった。
古巣、ザフトに。

「そのあと、私も自分に出来ることがしたいって思って、戦場カメラマンになるって言ったら、今度はディアッカが、私のやることに反対して……」



――人には「危ないから」って、散々ザフトに戻るなって言った割に、自分は平気で危ないことするのかよ!!



だって――それが一番、より良い道だと思ったから。



――俺は駄目でも、自分は良いんだ?



少しでも、同じ空気を味わいたかった。
離れていても、繋がっていたかった。
だから、遠く離れていても、同じ場所にいることを選んだ――のに。



――もう良いよ。



そんなこと言わないで。
私は、貴方のやることを認めたの。
貴方も、私の道を咎めないで。

せめて、同じ世界にいさせて。

願いは届かない。
ディアッカは呆れ果て、大きなため息を一つつき、



――……ついていけねぇ。



別離の言葉。
地球とプラント。居場所は遠く離れ、すれ違う日々が続き……それに伴い生じた摩擦は、いとも簡単に、ディアッカから別れを切り出させた。


こんなはずじゃ、なかったのに――

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