お茶会


突然、軽やかに走る足音が耳に届いた。
艦の、とても広いとは言いがたい通路を走るなんて、よほど急いでいるんだろう……そう思って、ミリアリアは道を譲るよう、横に避けた。
しかし、走っていた人間は、ミリアリアの前で止まった。

赤いジャケットの大男。

「よっ。暇?」
「いや、まあ、暇だけど……」

そんな、肩で息するほど急いで……一体どんな用事だろう。
思わず眉間にしわを寄せるミリアリアに、ディアッカは、満面の笑みで言った。

「じゃ、お茶しよう」
「……別に良いけど、それだけ?」
「それだけ」

きっぱり言い切るディアッカ。


〈……それだけのために、遠くから走ってきたの??〉


食堂へと背中を押されるミリアリアは、ディアッカ目的の『お茶』が終わるまで、終始疑問符を飛ばし続けていた。


from〜お茶会〜
結びに一言
2/24UP
久々に書いた種ほのぼの系。ディアッカさんにとっては楽しいお茶会になった模様です。

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