雪かき地獄の後は


冬。雪の舞う中、ミリアリアはコテージに居た。
ゆったりとした椅子に座り、くつろぎながら好きな本を読む彼女の前には、赤々と燃える暖炉の火……恋人と訪れた小旅行先の宿の居心地の良さに、ミリアリアはまどろみの笑みさえ浮かべ――


ばんっ!


そんな折、玄関がけたたましく開けられた。
熊でも雪だるまでも山男でもない、完全防寒状態のディアッカがいる。

手に、スコップを持って。

「……なあ、ちったー手伝おう、とかって気にな――」
「ならない」

皆まで言わせることなく、ミリアリアは速答した。
おかげで猛吹雪を背景に背負ったディアッカは、哀しげに雪世界へと帰っていく。

外は、雪。
――いや、吹雪。
雪かきをしないと道が無くなりそうなので、ディアッカは一人――宿泊客だが、額に汗して働いているのだ。

「……さて、と」

それからどれくらい経っただろう。窓の外のディアッカを見て、ミリアリアは立ち上がると、迷うことなく台所に向かった。
小鍋を用意して、作り始めるのはコーンスープ。

体を冷やしきって帰ってくるであろう、ディアッカのために――



from〜雪かき地獄の後は〜
結びに一言
1/26UP
時事ネタでGO!! 雪かきは本当、大変です。腕痛くなるし、腰痛くなるし、太もも痛くなるし。いつも使わない筋肉がやられ……アウアウ。

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