折鶴


ここに、正方形の紙がある。
たたんでたたんで、折って折って、開いて伸ばして出来上がるは――折鶴。

「何でそんな、きれいに出来るのよー」

文句を言うミリアリアの鶴は、どことなく不恰好で。
方や隣に置かれたディアッカの鶴は、何とも言えず見事な物で。

「だって俺、器用だから」
「うるさいっ!」

それではまるで、自分は不器用といわれているみたいじゃないか。

悔しい。
ものすごく悔しい。

ミリアリアは、ひたすら紙を折り続けた。
時間も忘れ、ただ、ディアッカより綺麗な鶴を作る……それだけを考えて。

「ところでミリアリアさん」
「何よ」
「……夕食は?」
「あんた作って」

結果――見事ディアッカはミリアリアに、晩御飯の支度を放棄された。


from〜折鶴〜
結びに一言
12/7UP
果たしてディアさんとミリィさんは、結婚してるのか同棲してるのか恋人同士なのか……お好きなシチュエーションでどうぞ(笑)

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