二次創作における慶次の第一印象はこんな感じでした。ネタ帳から。





朝目を覚まして、生きていることに絶望して布団をかぶる。吸血鬼でも幽霊でもなんでもないけれど、今の私は朝が嫌いだ。希望が持てない。朝はまぶしい。全部キラキラと輝いて見えるのだ。

「ナマエちゃん、ご飯できたけど、食べられる?」
「・・・・・・・・・・・・」

とたとたとた、と足音。そしてゆっくりめくられるふとん。柔らかくかけられる声。なんでこの人は、なんでこの恋人はこんなに優しくしてくれるのだろう。つかれてなんにもやる気が無い自分は今唯一してあげられそうなセックスだってしたくないし、人にやさしくもしたくない。こうして朝ご飯をつくってくれるのに礼を言う気も起きない。声も出したくない。

ふるふると首を振った私に微笑んで、慶次は布団をかけ直してくれた。真っ暗な闇のなかで一人、息をつく。起きていると涙がどんどんでてくる。止まることはない。

「死にたい・・・・・」

慶次に聞こえないように、一人口のなかで小さく呟く。慶次は優しい、とても優しい。私は以前、同じことを彼の前で口にしたことがあった。しにたい、そう呟いた私の肩を慶次はゆっくりと叩いて、大丈夫かいと聞いてくれた。私は全然大丈夫じゃないと言った。慶次はそれを聞いてすぐに、なら俺が殺してやろうかと言ったのだ。

「死にたいよ」

彼の目はとても綺麗だった。私の肩を抱いていた手は、ゆっくりと首に向かって動いていた。彼は私の返事を待っていて、すぐにそれを実行できるように静かに準備をしていた。私は今でも覚えている。慶次は優しい。とても優しい。私は、そんな彼に甘えることはしたくなかった。震える指で彼の手を首からはずした。そう、今は大丈夫なんだね?いつでも言ってよ。そういえば慶次が私との同居を始めたのは、私がそんなことをいって、彼がそんなことをした、次の日からだったっけ。



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