シャチ10


「まだら!まだらっていうのはどう?」

まだら?何故。
わくわくとした瞳で私の事を見る弥三郎にむかって体を傾げると、彼はにこにこしながら私の頭に手を伸ばした。

「逆叉さんはここに斑点があるんだよ。綺麗な灰色の丸が」
「きゅるる……」

なるほど、だから『まだら』か。安易な名前だ、だがそれが逆に良い。これで厨ニ病臭い名前付けられたら死を選ぶ所だった。百歩譲って紅とか色の名前は許すが黒耀とかなんかそっち系のやつは駄目だ。俺の右目がうずく系の黒歴史だからな。

「逆叉さん、まだら、駄目?」
「くるぁぁあ!」

勿論!いいに決まってるじゃないか、私は今日からまだらだ。まだら、うん。良い名前。

prev next

[back]