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鶴姫と分かれて、ここらで一番高い木の上で監視をしながらそんな事を考える。いっやーもうほんとそこんところ権現さんサイコーだね面白いねほんとまじで価値観あわなすぎて虫酸が走るのやばいね。多分俺とは魂レベルで分かりあえないと思うんだよね。だって無理だよ。他人の事とか考えられなくない?俺は自分一人のことで精いっぱいだっつーの欲望に忠実に生きていたいっつーの。

「・・・・・・・・」

まぁ、あいつのことはいいのだ。個人個人、ま、色々考えとかあるよね。他人の意見は尊重しましょ〜ってやつだよ。つか俺が大事なのはじいちゃんと畑とかんべえさんだけなのでなんかここの総大将のこと考えてる余裕とか?脳みその空きスペースはない。石田にぶっ殺されようが石田をぶっ殺そうがどうでもいいや、勝手にしてください。鶴姫も別れる前に、まだ望みはありますよ〜って言ってくれたしぃ。

「・・・・・・・、」

望みかぁ〜。俺の望みか・・・。俺の望みってなんだろう。
何が欲しいんだろう、って悩むと、ちょっと何が欲しいのか分からなくなってきちゃうじゃん?今すごいそんな気持ちだわ。ずっと前にも何度かこういうこと考えたっけ。俺は何が望みで、何が欲しいんだろう。やっぱりじいちゃんと一緒にすごして、官兵衛さんとも一緒に暮らすこと?・・・本当にそうなのかな。わからない。だってさ、いつだって本当にしたいことってのは世間体とかいうクソみたいなものに阻まれて出来ないんだから。

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