おれ、犬19


うっす!おれはいぬ!無口でかっこいいおにいさんのほっぺを気が済むまでなめまわしたあと、おれはなぜかお城の中にいる………。ん?なんでだっけ?

「おや、……どうして城の中に犬がおるんじゃ?」
「わん!」

あれー?と首をかしげていたおれのところに、ひとりのおじいちゃんがきた!誰だろう?あっでも、にこにこしながら俺をもふもふなでなでしてくれるひとに悪い人はあんまりいないのだ。

「……………」
「おお、小太郎!」
「わう?」

むっ絶妙な力加減…撫でる場所……あなたは犬を飼っています、もしくは昔飼っていましたね。
なーでなーでされながらおれは冷静におじいちゃんのことを観察する……。ふふふ、おれの観察眼にかかればこんなものちょちょいのちょいで見破れ………あんっいやんっそこはだめっ!このおじいちゃんったらテクニシャン!

「ほう、風のバサラをな」
「………………」

こ、これが痒い所に手が届くというやつか……。
無口なおにいさん、小太郎になにやら話を聞きながらもおじいちゃんは俺を撫でる手を止めなかった。いっぱいわしゃわしゃしてもらって俺は満足だ!だからきょうはここでおしまい。

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