まこと破廉恥である


この小説、私が好きないろんな心の動きをあちらこちらに散りばめてあるのですが説明すると私がど変態なのでしません。ここの幸村は10歳ぐらいです






お尻もお口もあそこもそのほかも、佐助が里でどうにかされちゃうだろう部分は全て私が貰った。全部可愛かったな、と思い返しながら彼が帰ってくるのを指折り待つ。一週間はかかると言っていたから、今日か明日にはかえってくるはずだ。

「……もどり、ました」
「………佐助?」
「うん」

結局今日は帰って来なかった、ともぞもぞ布団に潜り込んでうとうとし始めたその直後。とすりと床に誰かが降り立つ音が聞こえて、それから佐助の声。は、と眠りの縁から浮上して目を開ける。

「佐助、おかえり」
「うん、うん……」
「大丈夫?」
「うん…」

布団から抜け出、枕元にたったまま微動だにしない彼を傍に呼び寄せる。ふらふらとおぼつかない足取りで二、三歩歩き、彼はぺたりと布団に座り込んだ。

「佐助?」
「うん………あのね、俺、あんたに抱かれといてよかった」
「………そう」

そう喋りながらもはらはらと頬を伝い落ちる涙を拭ってやって、今日はここで一緒に寝ようと誘う。今の状態の彼をろくな寝具もない忍び部屋で寝させるのは嫌だった。摩耗した精神には良い睡眠が一番だ。

「怒られるよ……」
「大丈夫、私が寂しがったってことにすればいいんだから」

子供の特権はこうして使うんだと笑ってやればぎこちないながらも彼は笑みを見せた。ひんやりと冷たいからだを布団の中に引きずり込んで抱きしめる。彼の体からは知らないどこかの匂いがして、それに少々腹が立ったけどもうあっちにいくことは減るのだからと自分を諌めた。忍頭に聞いてみてよかった。そして私が、まだ寂しがっていると誤解されるような年齢の子供でよかった。

「佐助、明日もゆっくり休もう。私が駄々をこねるから」
「うん………ねぇ、」
「なに?」
「……また抱いてくれる?他の男に抱かれた俺は嫌?」

この子は何を言い出すのか、と思いながら今度抱くよと約束をする。嘘ついたら針千本のます、と小指をからめて約束をして、そうしたら少しは安心したのか彼の体から僅かに力が抜けた。

「ねぇ、今度じゃなくて今からえっちしようか?」
「…………それはいやだ」
「ふふ、じゃあほんとに今度ね」

そうやってちょっと茶化しながらひそひそと会話を続けていれば、腕の中の体はだんだんと暖まってきた。返答も意味をなさない言葉が多くなってきていて、あとひと押しすれば彼は眠りにつくだろう。

「おやすみ」
「………うん」

落ちる寸前に、そう言葉をかければおやすみなさいと油断しきったふにゃふにゃした口調でいうものだからなんだかもう可愛くて可愛くて仕方がなかった。


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