罪を重ねる


ちょいえろ




さすけ、と夜も更けたころ小さな声で主に呼ばれる。なにか不具合でもあっただろうか、と天井裏を走ってかの部屋にたどり着くと、彼は困ったような顔をして俺のことを見た。着物がはだけている、独特の匂いがする。

「…………その、」
「お赤飯炊こうか?」
「あ、根に持ってたね、そうなんでしょ」
「別にそういう訳じゃないけど、一応おめでたいことだろ。跡継ぎ作れるようになったんだし」
「………まぁね、」

でも女の人に勃つかな?と可愛らしい顔で困ったように笑うので俺は一旦口を閉じた。気持ち悪いだろ、と懐から懐紙をとりだして冷えた精液がまとわりついた性器を拭う。うひゃ、と上ずったような声が聞こえたので顔色を窺うも、ほんとにくすぐったかっただけみたいなようで安心した。まてよ、何に?

「あのさ、一応聞いておくけど、処理の仕方とかわかる?しないとこうやって暴発するから」
「いちおう、ちょっとはしってる」

なんか、指でいろいろ。と真っ赤な顔でごしょごしょつぶやく様子に、ちゃんと教えてあげるからここでやってみろと彼に言えば唖然とした様子でぱくぱくと口を開閉した。

「な、なっ、」
「他の人に教えてもらうのがいい?」
「う、うう、え、」
「俺はどっちでもいい」

なんとも思わないから、とそう逃げ道を作ってやれば彼はあちらこちらにきょろきょろせわしなく視線を動かして、それから覚悟を決めたように性器をやんわりと握った。

「あの。終わったら頭から消去してね。しないと殴るよ、本気だからね」
「うん」
「で、ど、どうやるの」
「…まずは、そうやって指で輪っかを作って………」

子供が自慰に耽る様子はなんて倒錯的な光景なんだろうと思いながら指示を出す。半泣きになりながらどうにか達した主に懐紙を渡してやって、ふたりではぁ、とため息をついた。


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