おれ、犬12
おれ、いぬ!いまちょうぞうのようにこじゅろさんのめいれいをきいている!あっしまったまた犬の部分が。
「わ、わふん!」
「あ、おい!長月!」
しっかりマテ!してた体をどうにかうごかして、俺は走り出した。後ろから小十郎さんの声がきこえてくる。ううーだめだめ、俺むかしっからあの声には弱いのだ。
「わん!」
「わ、わんこ………」
「……Aa?」
ある一人の武将のまえで、斬られる!って覚悟を決めてふんばってた女の子の体をぎりぎり空気の防具で守る。ふーあぶなかった。いや危なくはないんだけど。この人一応峰打ちキメようとしてたっぽいから。
俺の声に気が抜けたのかへたりこんじゃった女の子と俺を交互にみて。むかしのぼんてんまるはにやりと笑った。うっ、寒気がするので今日はここでおしまい。なんだか随分長い一日だったきがするな。
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