おれ、犬10


いよっす!おれ、いぬ!今日の俺は一味違う!何故なら人の俺を全面に押し出しているからだ!今日の俺は犬でありながら人でもある。つっても、結局体は犬だから大したことは出来ないが。

「わん!」
「お、おまえ……!逃げろっていったべ!」

泣きそうになりながら、それでも決して涙はこぼさずに。一生懸命大将やってる女の子のこと見捨てられるわけないっしょ!
なーんか見覚えあるようなないようなな足軽たちを、風を使って吹き飛ばす。ついでに酸素も少し奪っておいた。これで暫く使い物にならない、はず。

「みんな!いくべよ!」

あんまり手助けするってのはあれだけど、でもこれぐらいなら、ね!
女の子の体に空気の防具を纏わせて、俺は彼女と一緒に走り出す。わんわん!どけどけ!んっあれっ、俺のこと長月って呼ぶの、誰?!



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