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大量の荷物を抱えてほくほく、松風の上にのって一人にやける。味噌と醤油と砂糖が手に入ったから色々つくれる!なにしようかな、何作ろうかな。ナマエ、わくわくが止まりません。

「ねぇ慶次、夕飯を食べていかない?」
「おっ、いいのかい?」
「うん。是非」

かっぽかっぽかっぽ。松風の足音が響く夕焼けぞら。その色にあの猿を思い出してこてりと首をかしげた。もうしばらくあってないけど、元気だろうか。周期的にはそろそろくるはずだけど。

「もしかしたら、慶次は猿に会えるかも」
「ほんとうかい?是非友達になりたいもんだ」
「なれる・・・・多分。やけにあたまがいいやつだから」
「へぇ」

ますます知り合いを思い出すよ、と慶次は言った。ちょっとそれは失礼じゃないかなとおもったけど、まぁそんなかんじの友情なんだろう。知り合い、と言ってる時点でそこまで親しくないのは分かる。

「どんな知り合いなのか、いま切実にきになってる」
「紹介したいっちゃしたいけど、ちょっとそれはできない立場なんだよなぁ」
「えらい人?」
「うーん?うーん、そういうのじゃないんだけど」

説明するのが難しいなと慶次は唸った。なんだか随分ややこしいたち位置にいる人間らしいことは理解できたので、私は物分かり良くわかったと頷いておいた。

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