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ここにいる日にちは数えていない。だって戻れそうにないもん。理由がわからないこういう摩訶不思議現象ってのは、だいたい戻る道がないのだ。なんとなーく、ほんとに勘だけど。
そういえば私は何歳になったんだろう。二十歳はこしたはず、多分。こっちに来たときは16だったことは覚えている。22ぐらいかな。相変わらずやまのしたには降りていない。調味料ほしいけど、一応塩はあるし。やっぱりまだ怖い。
「またきたの」
猿はとてもおっきくなった。大人になったんだろうか。一時期全く来なくなったときがあったんだけど、これはこれで寂しいなと思ってたら普通に春になって現れた。私は生きていた褒美に干し山葡萄を与えた。猿はおっかなびっくりたべていた。
「変な匂いがする。なに?硫黄?」
相変わらずおずおずと小屋のなかに入ってきた猿は、なんだか変な臭いがした。温泉でもいってきたのか、と答えが帰ってこないとしっていながら話しかける。猿はききっとないた。私は勝手にその鳴き声をNOと判断してそうかぁと頷いた。猿は何故かすこぅしだけ、嬉しそうにしていた。
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