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そうそう。はかられたかのようにあった山小屋ってのは、ただ私の運がよかったってことが判明した。小屋回りを探索したときに私は白骨化した死体を見つけてしまったのだ。成人男性かな?多分。残ってた髪の毛がとても短かったから。

「………お前」

あーあ、見つけちゃったあーあ。とあまりの驚きとショックに顔中の穴と言う穴から汁を垂れ流し、鍬でざくざくと埋葬のために穴を掘る私の傍に現れたのはあの猿。ききっ、と小さく鳴いてずびずびと鼻をならす私の手元をじっと見つめる。正しくは掘った穴の隣にある人骨を。

「んだよぉ」

いいよやんなくて、と言う言葉に耳を貸さずに小さな猿は手で私の掘った穴を広げ始めた。私よりも小さな手が、穴から土を掘り出していく。ぐす、と鼻水をすすった私はポケットにティッシュがあったことを思い出して鼻をかんだ。人間の真似事しやがって、畜生にも心はあるということか。南無阿弥陀仏。


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