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猿を顔からでる汁まみれにしてからなんやかんやして解放したあと、私はひたすらぼんやりしていた。都合のいいことに小屋の中にはたくさん食料があったし。まあしばらくぼーっとしてたっていいかなとおもって。まぁ最終的には動き出したけども。

小屋の周りには畑があって、小屋の中には種があった。ずっとぼんやりしてた私はおっ、こりゃいいやとおもって土を耕したり種をまいたりしてたんだけどいやぁあれはすごい。かなり疲れる。農家の人に激感謝。これからは嫌いな野菜も残さずたべることにします。

「おっ、」

それうんとこしょえいこらさと女子高校生のじょの欠片もないかんじで土を耕す私の前に現れたのは多分あの猿。近くの木上で私のことをじっとみている。まいてやった包帯はどうしたんだろう。取ったのかね。

「んだテメーまた汁まみれにされたいんか」

農業系女子がそんなに珍しいか!と牙を剥けば猿はききっと鳴いて逃げていった。幸先のいいことに人間様の勝利であったので私はふんと鼻をならした。決してちょっと寂しいなとか思ったからじゃない。


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