ノットイコール


佐助をホンモノの猿と認識してる女の子の話です。色々ご都合主義




ちょっと友人とトラブル。幼稚なそれに嫌気がさして、学校を抜けだして町を歩いてたらなんかよくわかんねーけどせんごくじだいてきなソレ時代にとんで猿を拾った。その猿は血だらけで汚いしぎゃあぎゃあうっさいしまじで糞。それをひろっちゃった私も糞。動物愛護精神は持ち合わせてないはずなのになんでこんな畜生ひろっちゃったかっていえば寂しかったから。だってそうじゃん。いきなり目の前で始まった人間同士のガチバトルにおびえて逃げまどってたら右も左もわかんない山のなかにいてさ、ひとりぼっちでさ。なんかよくわかんないけど、手から火起こせるようになってるしさ。人間発火の一発芸しか思い付かないしさ。動物に慰めを求めるぐらいには弱ってた。

まるで誰かが用意したかのように、近くにどかんと立ってたそれなりの大きさの小屋のなかで私は汚い猿を抱き締めて泣いた。猿はなんかしらんけど、最初みたいに抵抗しなかったから私はその汚い毛皮にたっぷり鼻水と涙を擦り付けておいた。ポケットには下ろし立てのハンカチだって、昨日ティッシュくばりのお兄さんからもらったティッシュだってしっかりはいってたけどそれはつかわなかった。だってこれはただの八つ当たりなのだもの。


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