佐助成り代わり5


そうして、師匠に虐待されたり師匠に虐待されたり師匠に虐待されたり師匠に虐待されたりかすがにいらんことされたりしながらも、どんどん月日は過ぎていった。私は14歳になり、かすがは12歳になった。更に私は師匠のように感情が顔にでなくなった。それからあれだ、二次成長が来た。パニックになったかすがにそれをうまいこと伝えるのはとても大変だった。それを師匠に聞かれて誤魔化すのも大変だった。いや多分誤魔化せてないけど、何気に師匠は優しいほうなので見てみぬふりをしてくれたんだと思う。その代償と言ってもいいぐらい訓練がきついがな。

まぁそれはともかく。今日はなんだか知らないが修行は休みらしい。師匠に呼びだされてびくびくしながらも待ち合わせ場所にくると、そこに師匠が瞬身の術で現れた。そしていい放った言葉がこれだ。

「唐突だが、お前は今日から真田家の元につく」
「…………」

唐突にも程がある。
衝撃発言に思わずぱかりと口をあけると、閉めろとジェスチャーされた。ああはい、閉めました。

「相手は里で一番腕のたつ若い忍びをご所望、つまりお前と言うわけだ」
「……おれ、そんなに腕がたつわけじゃ」
「もう決まった事だ」

なん……だと……? せめて本人に了承をとって欲しい。あんまりにもいきなり過ぎる。

「だから一日休みをやった。荷物やなんやらを整理しろ。明日にはここを発つ」
「…………」
「以上だ」

言いたい事だけ言ったあと、師匠はまた瞬身の術で去っていった。言い逃げされた気分。

「…………」

え、まじ?
ばりばりと頭をかきむしってから深呼吸して気持ちを落ち着ける。今日一日が休みで明日は出発、かすがに言わないと。でも、私と違ってかすがは年齢相応の精神でしかない。ずっと一緒にいた私と離れる事に耐えられるだろうか。まだあの子は12歳だってのに。それでも、言わないといけないのだろう。

「…………」

暫く考え込んだあと、自分達の住処に足を向ける。かすがはまだ訓練から帰ってきていないだろう。数少ない荷物を整理して、今日はもう明日に備えて寝るのが良い。それが、一番だ。


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