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城に帰ってひとしきり大笑い。自分の部屋の床に転がってひーひー悶えながら目じりに浮かんだ涙を拭い、溜息をつく。あーすっきりした。ちょっとストレス減った。これで西軍がちょっと不穏な空気になってくれりゃ一石二鳥。つーか石田が狸を殺してくれればもっといいのに。
「…………、」
むくりと起き上がって肩の骨をぽきぽき鳴らす。これから鉄板洗わんといけない。お腹がへったからご飯も食べよう。何食べようかな、この前ひょんなことから小麦一杯手に入れたから、粉にしてお好み焼きでも作ろうかな。
「……」
うん、と頷いてそれまでイイコトに使ってた部屋からもう冷めた鉄板を持ち出して井戸へと向かう。洗剤がほしい。洗う前に水につけとけばよかった。全然汚れが落ちないぞ、ジョイ君助けて。そんでちょちょいのジョイやで!って決め台詞言って!
「宵闇の羽根の方!」
「………」
炭化した皮がへばり付いて取れないのを、仕方なく爪で削り落とす。ごりごりごりごり無心でこそげてたら後方からふらふらと鶴姫が現れた。俺をみてきゃっきゃと笑う様子は、恋してるって言うより好きなキャラに出会えてうれしい子供みたいな感じだ。人の事言えないけど、結構この子も常識知らずですぜ。
「何してるんですか?」
「………」
いや、見りゃわかるやん。
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