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×ひどめに捏造してます。
○捏造してると思ったらほぼ公式でした。ゲーフリェ・・・





「え、ヒンバスの進化系は確認されてないんですか?」
「ああ、そうじゃ。誰も見つけられておらん」

一週間分の観察レポートをオーキド博士に郵送した次の日、私は博士と話す機会を手に入れた。なんでもポケモン講座収録のあとに時間が余ったらしく、わざわざ育て屋の方に顔を出してくださったのだ。私はその時丁度お手伝いをしていたのでとてもびっくりした。だってオーキド博士だよ?有名人だよ?

「ナマエさんのレポートは読んでいてとても面白かったよ。確かに彼ら、ヒンバスと言うポケモン達は皆、容姿にコンプレックスを持っておる」
「あ……やっぱりそうなんですか」
「うむ、バトルではそんな素振りを見せんが……つれ歩く時などは常に自信なさげだ」
「……はい」

2日前に外に連れ出した時の事を思い出す。ヒンバスは非常に抵抗……まではいかなかったがあまり喜ぶ素振りを見せなかった。自然公園の水場で泳がせても、私の傍から離れようとせずにただかわいらしいププリンやピカチュウ、タッツーやクラブなどを眺めていた。羨望の表情で彼らを見て、ため息。病んでるなぁと思ってしまったのはここだけの秘密だ。

「ヒンバスを調べている科学者は少なくてのぅ。わしはナマエさんに密かに期待しておる」
「いや、私はただのポケモントレーナーで……」
「そう!君はポケモントレーナー、わしらは研究者。だからこそ、何か差が出てくるはずじゃ」
「…そうでしょうか?」
「何、差がなくとも問題はない。ヒンバスの資料が得られるだけで万々歳じゃ」
「そんなにヒンバスを調べてる人って、すくないんですか?」
「まず、彼ら自体が珍しいポケモンなのじゃよ」
「なんと……」

そうは見えないけどなぁとヒンバスがいる水槽の方に顔を向ける。相変わらずコイキングもびっくりなみすぼらしさだ。私は外見より中身派だし、ああ見えておっちょこちょいのせっかちさんって事を知ってるから可愛いと思うけど、ただ彼の外見だけをみる人は変なポケモンだと思うだろう。実際、公園で病気なの?とか虐待してないわよねとか聞かれたもの。してないっての。

「…………わかりました。これからもヒンバスの観察レポートはオーキド博士にお送りします」
「おお!それはありがたい!感謝するよナマエさん」
「いえ、私も、その。ヒンバスを好きになってくれる人がもっと増えたらいいなと思いまして、その役に立つなら是非協力させていただきたいなぁと」

ここだけの話、あの子は捨てられたみたいなんです。とオーキド博士にこっそり耳打ちする。すると博士は悲しそうな顔をして、そういうトレーナーは多いと呟いた。やはり可愛くもかっこよくもないからだろうか。同じポケモントレーナーとして悲しく思う。

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