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「お、風切り羽。その紅は」
「・・・・・・・」
「魔除けか?何かあったのか」

着替えの手伝いをしてあげてたら官兵衛さんが俺の頬の模様に気がついた。もうかわいて肌にはりついたそれを大きな親指でそうっとさわられる。ざり、と肌の上で音がしてちょっと不思議な気持ちになった。

「・・・・・・・」
「そうか、夢を見たのか」

夢はなぁ、逃れられんから怖いよな。
官兵衛さんはそう呟いてわしゃわしゃと俺の頭を撫でて、髪の毛をぐしゃぐしゃにされた。官兵衛さんもそうだなぁ・・・・俺を怖がんないなぁ。なんでだろう。

「うおぅ」
「・・・・・・・・」

にこ、と歯茎剥きだして笑ってみると一瞬だけのけぞられた。んで、それから笑い声。
お前さん笑うの下手だなぁと頬を延ばされる。

「こう笑うんだ、こう」
「・・・・・・」

く、と口角を僅かに上げられて、よしよしそうだと頷かれる。(笑)。そうか最小限にすればあんま怖くないんだな。ひひ、と小さく笑う。でもこんな笑い方見せる人なんて官兵衛さんとじいちゃんしか居ないから、んまぁどうでもいいんっすけどぉ。

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