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は、っと飛び起きる。いやいや俺は死んだはず、死んだよな?なんだ今のは。俺って生きてるの?それとも死んでるの?あれっ、あれっれれれ。

「っ、ぅ、っ、ぁっ、ぃ?」

がりがり頭を掻いてちょっと混乱する。えー、でも俺、確かに死んだなぁ。トラックでぐちゃぐちゃになったもん。体中がどーんってなったもん。でも、なんで俺が俺をみてたんだろう。あ、あ、あっ?殺そう殺そう。きた、きたぞこの城の中に侵入者が。風はどこにでも通ってるんだ馬鹿め。

「・・・・・っ!」
「・・・・・・・・・」

おもちゃみたいにぽーんと首が地面に跳ねる。目をかっぴらいてびくびくふるえる首を拾いあげて、くるりと目玉をくりぬいた。じゅぷ、と粘着質な音。俺の後ろでは首が無くなった体が血を地にまき散らして倒れてる。心臓の鼓動にあわせて出て来る血がそう、ポンプみたい。踏んだらもっと出て来ること、しってましたか。

「・・・・・・」

くちゃりと手の中の目玉×2をつぶす。中のとろりとした透明な液体が俺の手を濡らして滴り落ちた。腹の中の子種も下帯に落ちてきた。掻きださないといけないんだっけと考えながら掌を舐める。しょっぱいような苦いような不思議な味は、俺のてのひらの味なのか目玉の中の液体なのかよくわからなかった。

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