18


でもほら、いまはほんとにおつかいの最中だし!と一生懸命アピールする。そしたら最初は目と目の間にめっちゃしわ刻んでた佐助くんもちょっぴり分かってくれたみたい。

「…………」
「北条からなの……」

ちゃんと書状もあるでよ、じいちゃん本人だっていう判子もな。
それらをぺいっと佐助に手渡すと返ってきたのは困惑。信じていいかわるいか困ってるな?信じて欲しいなー。無駄足になっちゃうじゃん。

「んー……」
「…………」

しっかりばっちりじいちゃんの判子だって確認して、薬の匂い嗅いで舐めてそれで半刻してから佐助はやっとおっけー出した。遅いし、あとその薬はちょーマズイってじいちゃん言ってたから、見てて面白かったのこれ内緒ね。

「ありがと……使わせて貰うわ。北条殿によろしく言っておいて、あとで色々送ると思うし」
「…………」

了承しましたー、じゃあ俺は帰るねー。もう佐助くんに用事ないし、お目目は今は食べちゃ駄目だからー。立ち食いは駄目って言われてるからー。
こくりと頷いて、それから小田原の方向を向いて宙を駆け上がる。規格外だ、と聞こえたような気がするけどそうかね。こんなの制御覚えれば風持ちなら誰でもできるんじゃない。

prev next

[back]