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「おお、風魔!どこに行っておったんじゃ?」
「…………」
「む!これは鴫野屋の団子!」

最後に金だけは頂いてアルバイトから戻り、ぽんぽんと自慢の槍のお手入れをしていたじいちゃんの所にいけば、にこにこ笑ってお土産を喜んでくれた。えへへ、一緒にたべよー。じいちゃんー。さっき稼いだおちんぎんで買ったんだよ。

「どれ……では一休みするかの」
「…………」

いぇーい!
うきうきしつつしゅばっ、と茶の用意。こぽこぽ俺とじいちゃん専用の湯飲みについで、ほぅとため息。うーん、お茶、和むわ。

「うむ…………やはり鴫野屋の団子は絶品じゃのお……」
「…………」

まじすか!買ってきてよかった!じいちゃん喜んでくれてる!!!ああん癒されるずっとここにいてのんびりしてたい。
ま、そう言うわけにはいかないんすけど。

「…………」
「む……最近、多いのう」

侵入者、と屋根裏を指差すとじいちゃんがちょっと眉を潜めた。無理はしていないかといわれて首をふる。俺にとっちゃお安いご用なんすよじいちゃん。ほれさくーっとやってほらずばーっと終わりだからさ、ね。

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