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んふー、と息を吐いて佐助の瞼にキス。唇に真ん丸い球体が触れる。あー、これを抉り出したい。抉って撫でてさわって舐めて噛んで潰して食べる。戦国時代にホルマリンがないのが本当に残念だ。

「佐助ぇっ!」
「だんなっ、あ、やだ」

ちょっとかじろうとしたら佐助が恐慌状態になった。はらりと拘束を解いてやればすぐに俺から逃げようとしたけど。でもねほら、高度なんとかメートルだからほら。烏呼んでも俺がおとしちゃうし、へたしたらトマトの出来上がりだよと、ま、と。いやミートソースかも、脳味噌ぐっちゃぐちゃになるとね、挽き肉っぽく見えなくもない。

「はな、せっ!」

クナイ振り回さないでください。暴力反対!まぁ、雇主死んだっぽいしお目目舐めれたし虐め完了したし目標はあるいみ達成。正直俺がここにいる意味ないんだー……。じいちゃんとこ戻ろうかな、お団子買って帰ろう。

「うわ、ぅ、わああああ!」
「佐助!」

ぺいっ、と下に空気のクッションを作りつつ暴れる佐助を宙に放り投げる。うまいとこキャッチした虎の若子ちゃんがぎんぎらぎんなお目目で俺をぎろり。なんで怒るの?クッション作ってあげたのに。あー、ああー。主従揃ってうーまそー。でも今回は逃げよ、右目もセットで完全体になった独眼竜もいる。はいこれにてどろん。風魔小太郎はにげまーすばいばい。


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