7


でもそれで終わりじゃなかった。えへっ神様ありがとう。俺はなんかよくわかんないけど俺の記憶を持ったまま戦国時代に生まれ直した。しゃべれなくなっちまったけどね。

「小太郎、お前は今日から実施訓練に入る」
「……」

えへ、ほら忍びはほら。人殺したって大丈夫。つーかそれ仕事ね仕事。許されてんの、俺はあれを殺したっていーの。なんて素晴らしい職業なんだ、遣り甲斐を感じちゃうなー。

「あの男だ、わかるな?」
「…………」

でもねぇ……。俺は細身できれーな顔してっから初殺は色仕掛けしなきゃなんないんだって。遊郭にいれられて、あの子はほらなんか忌み子?とかいうやつだから好きにしていいよって言われる係。相手は子供もいける鬼畜らしい。まぁそれでもいいんよ殺せるなら。
そうそう、多分俺の髪の毛が赤いのは、ジョンの血がかかったから。声がでないのはジョンに喉を喰いちぎられたから。目が金色なのは知らね。

「……ぁ、…………」

声が出ないなりに旦那さま、と擦りよる。弱者を演じるのは得意だ。それだけで自尊心っていうかプライドっていうか、まぁいろんなものが満たされて人は満足する。油断する。ふふ、あっはっは。誰も、自分も知んなかった所を貫かれてがくがく女みたいに揺すぶられながら犯す殺人は楽しかった。痛くて気持ちよかった。体密着させて殺すから、相手の体が弛緩するのわかって、死ぬ寸前までこいつは俺の物で……新境地だ。やっべぇくせになりそうこれ……。でも唯一いやなのは生存本能発揮されて中だしされちゃうことかなぁ、俺殺すのは好きだけど生み出すのはあんまり好きじゃないんだよね。

「…………」
「終わったか」

股座から垂れてくる液体をそのままに男の死体を見下ろしてると、先輩忍者があらわれた。ひとつ頷いて踵を返す。向かうは風呂場。あー、きもちわるい。体洗いたい。どうせ浴びるんだったら真っ赤な血液のほうが俺は好き。


prev next

[back]