サヨナラ7


いやぁ……そういえばこんなイベントありましたねぇ。

「グリーン!」
「レッド」

トキワシティとポケモンリーグを繋ぐ道。ポケモンと一緒に、きょろきょろ辺りを見回しながら歩いてるおのぼりさんがいると思ったらお前かよ。てててと駆け寄ってきてそのままきゅう、と軽く抱き締めてきたレッドを微妙に引き剥がしつつも、一応どうしてここにと聞く。

「グリーンを探してて……」
「…………」

まさか、ストーカーに昇格したかこいつ。別行動が悪かったのか。
ちょっと警戒しながらも成る程と返すと、レッドは俺に抱きついたままがさごそとリュックの中を漁った。

「そういえばお前、タウンマップってねーちゃんから貰った?」
「うん、ちゃんと頂いた。ありがとうグリーン」
「礼ならねーちゃんに言ってくれ」
「ナナミさんにも言ったよ、これグリーンのなんでしょ?」
「……ああ、お古で悪いが」
「ううん」

嬉しいからいい、と朗らかにレッドは笑う。これが恋する乙女ならなぁと思った回数は幾星霜。俺は可愛い女の子の幼馴染みがほしい。
そんな事を考えながら遠い目をしていると、あ、そうだとレッドが図鑑を引っ張り出す。どうやら、彼は情報交換がしたかったようだ。

prev next

[back]