サヨナラ5


「…………」

正直言えば、罪悪感がないわけじゃなかった。レッドは俺のそれなりに大切な幼馴染みで、親友なんだ。ホモだけど。真剣に愛を語られて、でもそれをのらりくらりかわしていくのは俺にとってもレッドにとっても良くないこと。いつか返事をしなきゃならないんだろうなぁとは思っている。いつか。

「ポッポ」

ヒトカゲに手伝ってもらって捕まえたポッポをボールから出す。ちょっと警戒していた彼女は、それでも自分を倒した奴らというわけでおとなしく撫でさせられてくれた。ふかふか。

「……これから、よろしくしてもらってもいい?」
「ぽっ!」

いい返事をありがとう。くるっくー、ぽー、とハトのような鳴き声でそれに答えたポッポに微笑んで、俺は空を見上げた。この先、俺はどうすればいいんだろう。グリーンと同じように進むか、それとも?まだまだ答えはでない。俺は確かに転生者だけど、そこまで人間できてないから。ああ、前途多難だ。俺の未来も、進む先も。

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