サヨナラ2


まぁ、レッドが襲い受けだろうが攻めだろうが俺はノーマルなので奴の気持ちには答えられない。尚、なぜBL事情に詳しいかといえば前世の姉が腐っていたからである。BLだって案外読んでみるといけるもんだ。だからって自分がそれを体験したいとは思わないがな。

「ほらそこに3つのモンスターボールがあるじゃろ?好きなものを選ぶといい」

じーさんがそうレッドと俺にむかって笑う。そう、今日はあの日。運命の日。俺とレッドの冒険の始まり。

「レッド、先選んでいいぜ」
「……そう?ありがとう」
「おう」

残り物には福があるって言うしな!と笑うとレッドがふわりと微笑んだ。こいつはいわゆる男の娘と言う人種だと思うんだがどうだろうか。だが中身はバリバリの肉食系だ、どういうことやねん。

「じゃあ僕は……この子」
「おお、フシギダネじゃな?」
「うん」

ボールを選んだレッドがさっそくフシギダネをボールの中から出す。だねっ!と鳴いてとびだしてきたフシギダネに挨拶しているのを尻目に俺もボールを選ぶ。

「…………」

正直言ってしまうと俺はゼニガメも好きだ。ヒトカゲも大好きだ。えーまじ迷うー。どーしよっかなー。

「はよ決めんか」
「へいへい……じゃあ俺はこいつで」

迷いに迷ってさらに迷った結果、俺はやっぱりヒトカゲにした。あーかわいい。まじかわいい。俺のエンジェルヒトカゲちゃん。
ボールから出して握手してハ虫類独特の肌にすりすりしてると背後から猛烈な殺気。振り向けば絶対零度の赤い瞳。oh……レッドさん……。

「……何?」
「ううん……」
「ほっほっほ」

何が青春じゃのおだよジジイ!お前も一回ケツを狙われてみろっていってんだろ!

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