佐助成り代わり19


17、18のあらすじを一応。佐助くんがお方様(弁丸の兄の母親)の配下に拉致されて拷問っていうか暴行を受けたよって話でした。これから始まるのは鬱助……でしょうかね多分。












女の金切り声と、男の叫び声が聞こえた。どやどやとだれかが部屋に入ってきて、縄を切られて抱き起こされて。そこからはよくわからない。起きていたような気がするし寝ていたような気もする。でも手当てをされてるのはわかったから、やっぱり起きてたのかもしんないなぁ。

「佐助」

体を誰かにきれーにしてもらって、新しい着物を着せられて忍び小屋の中でくたりと壁に体を預けていると、何故か扉から師匠が顔を覗かせた。喉が動かなかったから顔だけをゆっくりそっちに向けると、草履を脱いで部屋の中に入ってくる。

「…………」

黙って腕を取られる。爪を剥がされて折られたりした指の調子を確認されて、包帯めくられて体を軽く点検される。それにちょっと身を捩ったら苦笑する気配。くるくる、また包帯を綺麗にまかれてひょいと担ぎ上げられる。親が子供にするみたく抱っこされて、ぽんぽん背中を叩かれた。移動する風景、外に出て師匠が廊下を歩く。才蔵が外にいて、なんだか泣きそうな目でこっちを見てた。黙って横を通りすぎて、昌幸様の部屋に入る。苦い顔した昌幸様と忍長が中にいた。もう酒の匂いはしない。

「調子は……?」
「見ての通りですね」
「そうか………」

師匠に抱っこされたまま、会話を聞く。降りなきゃ、って思ったけど動こうとしたら師匠に動くなって力をこめられた。佐助、と初めて昌幸様に名前を呼ばれたからぼんやり焦点を合わせる。

「やっとあの女を幽閉することが出来た、お前のお陰だ。………すまなかった」

しくまれてた?あっ、ごめんなさいまさゆきさま。なにをいってるのか、よくりかいできないです。

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