卒業しても


「高校んときはラクだったよなぁ」
「そーかよ。つうかなんで俺の部屋に居ンだよ俺より先に」
「えーご飯作っといたほうがいいじゃん。帰ったらすぐご飯食べられるじゃん」
「それ俺の冷蔵庫から出しただろ。勝手に冷蔵庫開けんな」
「ざんねーん、今日は銀さんが買ってきましたー」
「道理で飲み物が甘……てかマヨネーズはどうした」
「それは自分で買えよ。俺要らないし。それこそ冷蔵庫入ってねーの?」
「いくつ入ってても無駄にならないだろ」
「なるわ」



「ん、メールだ」
「あん?」
「高杉から。麻雀の面子足りないって。二人で来いって」
「なんで二人で麻雀しようとすんだよ。別のことしろよ」
「河上と二人で出来ることしろって十四郎が言ってるから行かない、っと、そうしーん」
「アホか……」
「俺たちも二人で出来ることする?」
「し、しな……おい、しないって言って……んっ」
「ご飯作りに来たのもそうだけどさ、」
「あ、ちょっ……んあ」
「この前会ったときちゅーもできなかったじゃん」
「人前でっ……ぁ、ベタベタしたら…おかし……ああッ!?」
「おかしくねえよ。高校ンときはみんな知ってただろ」
「あ……、ふ、んん、」
「とおしろ。好き」
「あっ、あ、あぁ……っぎん、」
「シていい?」
「もうっ……シてる、だろっ、ぁ、」


ピロピロピロ


「ぎんっ、電話……んむっ」
「無視しとけ」




「出ねェな。最中か」
「どうしてそういう方向にしか考えられないでござるか」
「そう言いやすけど、アンタだって他の展開考えたかィ」
「……トイレとか」
「とか? あとなんでィ」
「飯食ってるかもしれないネ。銀ちゃんのご飯おいしいヨ、食べに行くアル」
「やめとけィ。食えねェモン見せつけられるぜ……もっともオメーさんは平気そうだけどな」
「女子にあのようなモノを見せるとは言語道断でござる。飯なら拙者が作るからここで食べていけばいい」
「万斉、俺ァパスタでいい。トマトソース系の気分だ」
「私ラーメン! 豚骨の気分ネ」
「あ、俺ァかけ蕎麦でいいんで、漬け汁濃い目の蕎麦湯付きで」
「ちょっと主ら勝手過ぎやしないでござるか!? で麻雀はやるの? やんないの? どっちでござる?」
「俺ァ腹減った」
「ハイハイ」
「私打てないヨ。サンマでもやるヨロシ」
「サンマ知ってる時点でかなり道踏み外してると思うけどな、クックック」
「あ、バカ兄貴呼んでみるアル! もしもしバカ兄貴?」
「……まあ、揃ったでござるな」
「チッ、小便したくても代打ちがいねぇのはいただけねえぜィ」
「小便する暇もなく上がってやらァ」



「ん……あっ」
「待って。もう少し、中に居たい」
「ぎんときぃ……」
「なーに」
「あったかいなぁ」
「……あんま可愛いコトばっかり言うともっと責めまくる」
「ぎんとき」
「ん?」
「すき」
「(もう……なんなのこの可愛さ俺をなんかの術に嵌める気?嵌ってやりますとも!嵌るなっつーほうが無理だよねコレ!?)」
「ぎん……?」
「俺も。大好き」
「なあ……」
「ん?」
「大学来ても変わんねえ?」
「ん? なにが?」
「他のヤツに知られるとか。高杉たちは良かったけど普通のやつは気持ち悪いって言うぞ」
「んー? 俺と十四郎が、こーんなコトやってることを?」
「あっ!? も、ダメだ腰抜けるぅ」
「抜けちゃえばいいよ。明日看病したげる。俺が」
「やっ、やぁ……かんびょ、いらな……ッ、ダメだもうやめて、アァッ」
「人がなんて言おうと俺は十四郎しか好きじゃねーんだよ。わかる?」
「あっ、あっ、わ、わかっ……も、辛い……」
「でも十四郎が隠したいなら、隠す。ずうっと一緒にいたいからそこは合わせる」
「んあっ、うぁ、ぁ、あっ隠したく、な……でもっ」
「心配?」
「色眼鏡……見られっぞ…? マトモに、キャ、ンパスっ、あ、歩け……あ、あ、あ、も、ダメッ出る! イクイクッ」
「いいよ。中に出していい?」
「うん、うんっ……ぎんときぃ…」
「とおしろッ」



(さすがに無理させちゃったかなぁ。俺より身体に負担掛かるもんな。ごめんな十四郎……で、メールが来てる訳だが)
(どーせ高杉だろ。うっせーな、『もう散々イッたから行かねえよ 』と。そうしーん)


プルプルプルプル


「あ? 今メール送ったろ、十四郎寝てっし行かねーよ」
『銀ちゃんのバカーーーッ! スケベ、変態、ホモーーーッ』
「え? え、誰? もしかして」
「私ヨ私、神楽ヨ!ひどいヨ銀ちゃん!」


「お前がそっちにいるってことは沖田もいるんだな。よーくわかった。十四郎に近寄んじゃねーぞ!ガルルル」

ガチャン



「怒ってたアル。自分が猥褻な用語使ったくせに責任転嫁ヨ」
「いや、ギリギリセーフではありませんかねぇ。変換ミスと言い張れば言い張れますし」
「誰でィこいつ」
「知らねェのか。武市変平太、3Z出身だ」
「悪ィ、俺ァキモイの覚えたくねーんですっかり忘れてるしこれからも覚える予定はねーんで」
「頭悪いのですねぇ、じゃあ仕方ないでしょう、忘れたら思い出させてあげますよ、っと」
「えっ、今なんかした? なんか痛がらなきゃいけない展開だった? 悪いなァ気が利かなくて、俺ァ何処をやられたんだか教えてくれればそれなりに……」
「もういいです、私は暴力のほうは苦手なんです! それより坂田のチャイナさんへの発言はギリギリ白ですよ」
「もういいだろ。これだけ知り合いにバレてるって分かればアイツらもあのギクシャク動く人形みたいな、不自然な動きィしなくなるだろうよ。目障りだ」

「「「「全く同感「でござる「でさァ「アル「ですねぇ」

「「「「いいから早くイチャつ」けでござる」けってんでィ」くヨロシ」きゃあいいのに」」」」

「周りの信用はガタ落ちでしょうがねぇ」

「あれ。そうかィ?」
「当然でしょう」
「……俺にァ関係ねェ」
「あの二人なら大丈夫ネ。ラブラブネ」
「主ら急にどうでも良くなっ……まあ、どうでもいいでござるな。もういいでござる。神威どのも来たでござるし」
「なんか悪そうな話してなかった? 教えてくれないと殺しちゃうぞ」
「阿呆、教えるために呼んだに決まってるだろうが。オラ、始めるぜ」
「また悪の仲間が増えたアル」
「オメーもその一員だろィ」
「気分次第アルからな!」



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