5 保健室で寝る



(うわあ……、寝てる。寝てるよォォォ!!
土方が寝てるぅぅぅ!!)

「坂田くん? あー捻挫の子ね、無理しないように」
「もう無理ですいろいろと。今体育なんでここで休みたいんですけど」
「じゃ、ここに名前と学年クラス書いて。高杉くんは?」
「付き添い。一人で歩けねえっつうからよォ」
「言ってねェェェ!! ウソです先生、歩けるのに勝手について来たんです」
「松平のオヤジに、ついてってやれって言われただろうが」

「保健室では静かに。寝てる人がいるでしょう」

「よしてめーは帰れ。俺は休んでくから」
「はあ? じゃどうやって教室戻んだテメェは。迎えにくんの面倒だから俺もいる」
「お願いします高杉さま、帰れ。ほんっと、マジ帰って300円あげるから。な?」
「嫌だ」
「わかった。河上に『迎えに来てやって』ってメールしとくから。あいつオメーのこと好きみたいだから。俺のことはそっとしといて頼むから」
「……」


「すいませーん3Zの河上ですけど。高杉の具合どうですか」


「あら高杉くんも具合悪かったの? 言えばいいのに。寝てく?」
「そうします。てわけだから万斉、後でな」
「酷ッ!? 河上可哀想! オイこいつ今までピンピンしてたぞ、連れて帰れ!」
「具合が悪いなら仕方あるまい。坂田が帰れ」
「はアァァァ!? 俺はもともと怪我してんの、怪我してっから保健室きたの!! こいつはウソ! わかったら30秒で高杉連れて消えろ」


「そこ五月蝿い! 帰ってもらいますよ」


「待って河上! コイツ俺についてきて俺と教室帰るって言い張ってんの! 具合悪くないの! お願いします連れてってください」
「……晋助、まことか?」
「はぁ? テメェ俺と銀時のどっちを信じるってェんだ、銀時のほうがホントだとでも言いてえのか? あ?」
「そうだな……では晋助、授業が終わったら迎えにくるでござるよ」
「ハアァァァ!? テメェ空気読め、俺ァ銀時送ってくんだっつってんだろうが!」
「じゃ、晋助あとで」


バタン


「チッ」
「チッ」
「見ろ、やっぱり俺が万斉と行っちまったら寂しいんだろう? クククッ」
「高杉くん辞書引いて。寂しいって単語よく読んで。蛍光ペンで塗りたくって」


「んん……」


「あっ!? ひじかた? 起きた!?」
「一生寝てろ」
「起きるもん! 寝言だったみたい……ホントかわいい、天使みたい」
「目が腐ってンだな、気の毒に」
「オメーは根性が腐ってんだろーが! 土方起きちゃうから静かにしろよ!?」


「そこの二人! 具合悪くないなら授業に戻りなさい! あと坂田くんッ! 土方くんのベッドに寝るのもやめなさい」





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