6 メアドを交換する



「ぎーんときィ」
「話しかけんな。どっか行け」
「ふざけんな。テメェが余計なことするから万斉に拉致られた俺の身になれ」
「それをお前が言う!? 保健室で大揉めにモメて土方叩き起こしたお前が言っちゃう!?」
「目が覚めてよかったじゃねェか。あのまま死んどけばいいのに」
「てめっ、なんてこと言うの!? なんてこと言ってくれちゃってんの!? あーもういい、オメーとは今日限り絶交な! 話しかけてきたらアレな、死ぬことな!」
「そういうテメェが話しかけてくんだろうがよ」
「……」
「銀時ィ」
「……」
「銀時?」
「あーー! 沖田くんちょうど良かったァァァ! 土方にさ、ゴメンねメールしてぇから俺のアドレス教えといて! かかか、空メ返し、かかか、返してくれると嬉しいなーって!」
「いいですけど俺ァ赤外線とかやんねーんで。アンタのメアドいらねーんで、紙とか白髪とかに書いといてくだせェ」
「これメモ用紙に見えんの。ここに書けると思ってんの」
「メモ用紙とかけまして旦那の天パと解きやす」
「その心は!?」
「どちらも要らないでしょう」
「上手くねえよ!? 銀さんの髪必要だから!? なに丸坊主にしようとしてくれてんの!?」
「おいクソガキ。銀時の天パは俺のモンだ。俺に断ってから剃れ」
「なァァァに勝手に決めてんだァァァ!? 俺の天パは俺のモンだァァァ!? つか、なんでテメーが会話に加わってんだァァァ!?」
「あれ旦那、高杉に話しかけたら死ぬんじゃねーんですかィ。こりゃ残念だ、土方さんもさぞかし……」
「ええええ!? いいのっ、俺が話しかけンのはセーフなの! 土方くんが何!?」
「わかりやせん。言ってみただけでィ」
「なんなのコイツ!? なんなの!? 悪魔の子なの!?」
「それより書けたんですかィ? じゃあコレを土方コノヤローに渡しときゃいいんですねィ。今週の英語、ノート見せてくだせえ」
「ハアァァァ!? メモ渡すだけだろ!?」
「じゃあこの話はなかったことに。あっしはこれで……」
「待って! 待って沖田くん天使の子! 英語も国語も見せてあげるから! 渡してきてお願い!」
「いや旦那の国語は全然要らねーや、役に立たねえんで。英語のノート出しなせェ」
「どうぞ沖田様ァァァ!」

「ぎんとき……」
「フンッ! もう邪魔すんなよバカ杉!」
「!」


送信元:沖田総悟
送信先:坂田銀時
件名:土方のアド
本文:ヤローがつかまらねぇんで、俺の転送しやす
hijikata-mayoraoe@×××××.ne.jp


「キタァァァァ!! 高杉見て見て、土方のアドレス来た!」
「……」
「なんだよノリ悪ィなココは踊り狂うとこだろ!」
「……」
「かわいいなぁ、マヨラ・オウェだって。アロハ・オウェのアレンジかな。マヨ大好きだもんなぁ」
「……」
「なに無視してんだよ! ちょ、コレ河上にギター弾いてもらうとこだって! 河上ィィィ! 高杉がオメーのギター聞きたいって!」
「ああ万斉、どこぞのバカが勝手に言ってるだけだから。こっち来んな」
「晋助ェェェ! やっと拙者のミリキをわかってくれたでござるかアァァァ!」
「テメェもバカ。寄るなバカが移る」
「どこがでござるかアァァァ!? 直すでござるから、ささ、こちらへ」
「ギャアァァァ!? ぎ、ぎんとき、銀時ィィィ……」


From:gintoki sakata
To:Hijikata☆
Sub:
さっきごめんな。頭大丈夫?





「土方さん。旦那のアンタへの評価はこんなモンですぜ」
「なにが……って、ええええ!? な、なん、なんでテメーが、さささ坂田のメール」
「アンタにアドレス渡したいっつーから俺のケータイから送ったんですけどねィ。何を勘違いしたか、俺に送ってきやした」
「見せろ……! あああ、頭ダイジョーブって、どーゆう意味だゴラアァァァ!?」
「そーゆう意味でしょ」
「だ、だいたいなんでテメーが教えたのにテメーんとこに……おめ、どんなメール送ったんじゃアァァァ!?」
「え、『俺の』ってちゃんと書きましたけど。旦那の国語ったらアンタの英語並みに役立たずだからなァ」
「そこじゃねーよ!? アドレス替えろっつったろーが!? なんだコレ、」
「『マヨラーおえ〜』でさァ」
「ぐぬぬぬぬ……」
「あれ、どうしやした? 『頭ダイジョーブ』ですか?」


「ふっざけんなアァァァ!? テメーら表ン出ろオォォォ!?」




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