本当に怖いモノ


※土方副長が捕虜になってしまいました。


「ふっふっふ……いい格好だな土方」
「? そうか?」
「鬼の副長ともあろう者が、後手に縛られて我々の前に膝を屈するとは情けないとは思わんか」
「いや、あんまり」
「強がりもいつまで続くかな? ふふふ」


 ザッパー!バケツで水ぶっかけ


「こいつ顔色も変えませんが」
「内心屈辱に歯噛みしてるに決まってるだろ! なあ鬼の副長」
「え、そうでもないけど」
「クッ……さすがは鬼と言うべきか。次は……おい、次どうしよう」
「考えてないんですかお頭」
「だって拷問とかしたことないもん。なんか可哀想」
「何言ってんですか! こいつらに同志はさんざん酷い目に遭わされてるんですよ」
「それはいいけど具体的にどんな酷い目に遭わされたの。誰か言ってみ」
「いや。自分、捕まったことないんで」
「捕まったことあるの全員監獄送りですし」
「ぐぬぬ……どうしよう」


「つーか、服着せてる時点で屈辱もクソもねえな。テメェら甘ェんだよ」


「……って捕虜が自己申告してますけど」
「え。そうなの? じゃあ脱がすか」
「もう縛っちゃったんですけど」
「じゃあどうすんの。なんかいいアイデア出せよ」
「そう言われても……」


「服なんか破きゃいいだろーが。知恵の足りねえボンクラ揃いが」


「……て、言ってます」
「あの隊服破けんの? なんか頑丈そうじゃなーい?」
「上着取ればなんとかなるんじゃないでしょうか」
「どうやって上着脱がせんの」
「……破く?」
「だ、か、ら! どうやって?」


「しょーがねえな、本気で俺を痛めつける気あんのかテメェら。だいたいな、服ってのは縫い目があんだ。いくら丈夫でも縫い目は弱いからそこから……」


「なんか破き方語り出しましたけど」
「ええ。大丈夫なのあいつ」
「そういえば真選組は最近、土方十四郎の他にもう一人副長を雇ったと聞いています。土方のほうに問題が生じたんでしょうか」
「うむ、俺も聞いている。確か坂田銀時とか」
「白夜叉ですか!?」
「そうかもしれん。だとしたら裏切り者の誹りは免れんが」
「土方が白夜叉を抱き込んだと……!」
「だとすれば土方十四郎恐るべし。気を引き締めなければならん」


「ちげーよそうじゃねえって。縫い目にも向きってモンがあんだろうが。そっち向きじゃあ破けねえんだよ、チッ……イライラさせんなテメェ、ちょっと。そうじゃねえ馬鹿!」


「あれが恐るべき鬼……なんですか?」
「うむ……なんか嬉しそうだな」
「ええー!? 服破かれて嬉しいんですか!? ヘンタ……」


「ほら見ろ。袖取れただろーが、頭使え頭。つか、なんで手に拘んの。ハサミ入れればいいだろう、そんな備品もねえのかテメェら攘夷浪士ってのァそんなにジリ貧なのか」


「なんかイライラし始めましたけど」
「ハサミくらいあるわァァア! おい、もうハサミ入れちまえ。ギッタンギッタンに切り刻め」
「ハイッ」


「うーん……なんかイマイチ。脱がし方にセンスがない」


「文句言ってます! 脱がし方のセンスってなんですかお頭!?」
「俺にもわかんねーよ!? もうどうして欲しいのアイツ、どんな目に遭わされてえの!?」
「聞いてきますか」
「たわけーーッやって欲しいことしてやったら、拷問になんねーだろーが!?」
「そうですけど。じゃあ王道で、引っ叩きますか」
「そうだな……やれ」


 鞭ピシーッ


「あんっ、くぅ……っつーかそれもなんか違う。ただ痛いだけなんだけど」
「ただ痛くしてるんだけど」
「なってねえな! 痛覚刺激だけじゃねえんだよ、もっとこう、屈辱感を与える何か! なんか足りねえっつーか」
「ええ……」
「もっかいやってみ? いてっ、だからそうじゃなくて! 痛えけど! それじゃ何年かかっても俺ァひと言も吐かねえぞ」


「我々の拷問などに屈しないと……?」
「え、お頭本当にそうですか? アイツ屈辱感が何とかって言ってませんでした?」
「これしきの屈辱はモノともせんという宣言だろう、敵ながら流石と言うべきだな鬼の副長」
「ええ……なんか違うと思いますけど」
「お頭ッ真選組です! 御用改めが!」
「なにッ!」


「御用改めであるぅ。ちゃっちゃとお縄についてくんない、面倒くせえから」
「しっ白夜叉!?」
「情報古ッ! よく攘夷浪士やって来られたねえ。で、ウチの土方は?」
「ふん。貴様らの大切な副長どのは、そこで雁字搦めになって捕らえられておるわ!はっはっ……はぁ!?」

「土方副長、元気そうだね」
「銀時……ッ」
「今仕事中でしょ」
「坂田ふくちょおっ、アイツらひでえんだ」
「え? そう? そんな酷い目に遭ってるカンジでもねーけど」
「せっかく縛られて隊服ビリビリ破かれるいい機会だったのに! 破き方下手クソなんだ」
「あーそうなの。上半身キレイに着てねえけど、脱がして縛るんじゃあおめーは物足りねえもんな」
「それがな。着せて縛ったんだよ最初は。せっかく着せて縛ったのに! 破けねーんだあいつら! モタモタやってて!」
「ほうほう。なってねーな」
「イライラしたからハサミねえのかって言ったら! こんなキレイに脱がしやがって、こうじゃないって言ってんのに理解出来ねえんだ!」
「そうだね、これイマイチだね」
「拷問ったって水ぶっかけて叩くだけだし。オリジナリティがないっつーか」

「なるほど、わかった。おーい全員縛ったか? 護送車載せる前にまとめて土方副長の前に集合。ついでに拷問講座やるから興味のある隊士は囚人の警護がてら集まって。早く」
「え? え? 土方解放してやらんのか白夜叉」
「うるさい。こっちの都合に口出すな、囚人の分際で」


 ゾロゾロ……


「えー、まず今の土方副長ですがぁ、後手に縛ってありますが、これだと縛られてるとこ見えないよね本人に。縄目は本人に見えるように縛ると、屈辱感倍増で効果的でーす、たとえば……こんな感じ?」
「あっ、やだハズカシイ……ひん」

「ええと、後手だったのを前に持ってきただけなわけですが、縛られてる!って実感できる分、さっきより効果的です。拷問としてはね。今みてえに護送するときはその限りではありません」
「坂田ふくちょおっ……続き……ッ」

「これだと逃げられるんじゃないか、目視できる分縄目をどうにかされちまうんじゃねーかと心配な場合は、手の縄目をどっかに繋いどくだけじゃなくてぇ、脚も縛ります。歩けなくすりゃいいだけじゃなくぅ、辱めたいわけだから、こんな感じで。今日はオーソドックスにM字開脚にしました」
「あっ……ね、ズボンは? まだ……っ?」

「それから脱衣に入りまーす。脱がしてから縛ってもいいんですが、捕虜なんかは一刻も早く縛り上げたいよね、体の自由は奪っときたいよね。そんなときはサッサと縛っちまいましょう。服は後からどうにでもなるわけです」
「さかた……ふくちょ……っ、はやくぅ」
「下半身の場合、どこを露出したら恥ずかしいか。個人差もありますがぁ、誰だって人前でちんこ出さされたら恥ずかしいよね、やめてほしいよね。そーゆうことは率先してやりましょう、このサンプルの場合、ここですね」
「ああっ! あ、触っ……もっとぉ! ねえっもっと触ってえ!」
「黙れサンプル。講義中だ」
「ごっごめんなさい……っ、はあはあ」

「もちろんケツも見せたくないよね。フツーの人は見られたら恥ずかしいよね。従って、破く場所はこの辺りからこの辺りって決まるわけです。チャック壊しちまえばちんこは簡単に出るしぃ、ケツんとこは、縫い目に沿って切り込み入れるとぉ、」

 ビリビリッ

「ひぃっ!」
「パンツ穿いてねえの土方副長? ちんことケツ穴だけ丸見えにされてどんな気分?」
「恥ずかしいッ! 見ないでぇ……っ」
「ホントに見ないで欲しい?」
「うそ、れしゅ! みてくらはいっ、俺のちんことおしりのあなっ、みてほしいれしゅ……」
「ちんこ勃ってきたよ。見られてキモチイのか」
「はいっ、キモチれしゅ! ああっ、さわって……! さかたふくちょおっ、おちんちんさわってくらはい、おねがいぃん」
「まだだ」
「ひぃ、ひっく、ああぁ……」

「このサンプルは少し変態なんでぇ、破っただけでちんこからやらしい汁ダラダラ零しますがぁ、フツーの人はこうはなりません」
「なるもんっ、キモチくなるもん!」
「かと言ってぇ、我々だって知りもしねえ野郎のちんぽ触りたくないわけですしぃ、女だとしてもぉ、ヤっちまって吐かせるってのは下策です」
「おんなっ! ぎんとき、女とヤるのか……っ!?」
「そら必要とあらばヤりますよ土方副長? 仕事だし」
「やだ! そんな仕事俺がやる! だから坂田副長は、女とヤんないでぇ……うええ」
「へえ。土方副長は女とヤるわけだ」
「だってぇ、ぐすっ、坂田ふくちょおがっおれじゃないヤツとヤるのっやだもん! うええっ、ひぐっ」

「ではここでぇ、こういう変態な囚人に当たった場合の講義をしまーす」


 どよどよどよ


「こういう変態はぁ、性感帯をダイレクトに刺激しちまったらただキモチくなるだけで終わっちまうのでぇ、そういうのは触りません」
「さっ、さわらないのかっ! やだ……もうやらぁ」

「今日はぁ、排出系で責めてみたいと思います。えーと、囚人諸君の中にリーダー的な人いる? あ、あなた。このサンプルは捕まえてからウンコシッコはどうしてました?」
「させてません」
「半日も経ってないよね捕まえてから。まだ我慢できる範囲だよね。なあ土方副長?」
「おしっこ……したいれす」
「飲食は? どうしてましたかリーダー」
「飲まず食わずです」
「よろしい。基本一日くらいは飲まず食わずでいいと思います。二日目からは水くれえ飲ませてやりましょう、脱水で死んじまったら情報を吐かせることもできなくなりますから注意しましょう。サンプルはまだ半日ですがぁ、ここで水を飲ませます。ほら土方、口開けて。喉乾いただろ」
「あーん……ごくっ、んぐ、んく」
「ここに利尿剤混ぜてもいいわけですがぁ、今日は手持ちがねえんでフツーの水です。でもションベンしたいそうなんでぇ、そろそろ限界がくると思います」
「坂田ふくちょおっ、おしっこ……っ」

「せっかく対象が願望を持ったわけですからぁ、これは叩き潰さなきゃダメです。この場合小便させないってことになります」
「したい! 出ちゃう……」
「人前で小便すんのか変態。こんなに脚おっ広げたまんま小便飛ばすのかよ」
「ひぐっ、だってぇ、もう、出ちゃうぅ」
「おしっこしたい?」
「したいッ」
「みんなの前で?」
「イヤだけど……ッ、でも、もう」
「見えないようにおしっこさせてあげようか?」
「ほんと!?」
「もう少し我慢できたらね」
「するっ、我慢するぅ」

「えーこのようにぃ、交換条件を出すとぉ、切羽詰まってますから簡単に喜ぶわけです。ここで情報を聞き出してもいいんですがぁ、サンプルはしぶといんでこれしきじゃ言うこと聞きません。もう少し痛めつけます。たとえばぁ、尻をこうしてぇ」
「あっ! だめ、おしりのあな見えちゃうぅぅう!」
「皆さんにケツ向けろ。ケツ穴見ていただけ」
「あああ……」
「ほら。丸見えだよ。なんか言うことねえの」
「恥ずかしいッ見ないでぇ」
「そうじゃないでしょう? ほんとは見てほしいんでしょ土方副長」
「あぁぁ……見てくらはい! おれの、いやらしいあなっ、ぎんときのおちんぽだいしゅきな穴……っ、ああぁおちんぽほしい! だめぇぇ広げないでぇえぇ! おしっこもれちゃう」


 ピシャッ


「あああああ! 叩くのダメッ、今はらめぇぇえ!」


 ピシッ、ビシィィイッ


「あ、ぁ、ア、出ちゃ……っ、出ちゃうぅぅう!」
「何が?」
「おしっこ! おしっこ出ちゃう! イッちゃ……ああっ! だめ、これじゃおしっこ出るの見えちゃう! やああああ見ないでぇぇぇ……」

「我慢するって言ったのに。できなかったの嘘つき」

「ひぐっ、ひっ、ごめんなさい坂田ふくちょお……おれっ、またおもらししちゃっ……」
「罰として何してもらおうかなぁ」
「なんれもしましゅぅ! なんれもっ、いわれたとーりにしましゅ、ひっく」
「なんでもするの?」
「なん、れもっ」

「よし。じゃあ俺のションベン飲め」


 どよどよどよどよどよ
 がやがやがやがやがや


「お口開けて。俺のちんこ入れるよ」
「あーん……」
「あ。その前になんか言うことない?」
「さっさかたふくちょおのっ、おしっこ……いっぱいのませてくらはいっ」
「ちゃんと飲める?」
「のめましゅ! のみましゅっ」
「違うだろ? 土方副長はどうしたいの?」
「飲みたい! さかたふくちょおのおしっこ飲みたいれすっのませてくらはい、お願いっ」
「いい子だ。口開けな」
「あーん……っ」



「えー、このようにぃ、最終的にはこっちの思い通りにさせられるのでぇ、ぶったり叩いたりするよりぃ、精神的にイジメ倒したほうが効果的です。囚人の皆さんもぉ、肉体的負担は減るんでぇ、悪くねえ取引だと思うわけです。このあと屯所に帰ったらぁ、囚人諸君はぁ、こういう目に遭ってもらいます」
「ひぃぃい!」
「ションベン飲まされてこうなっちゃう特殊体質の人じゃない限りぃ、オススメできないのでぇ、早めにいろいろ白状してもらえるよう願います。以上、護送開始――土方副長、帰るよ」


「さかたふくちょっ、イッちゃ……止まんな……あああ! またクるぅぅう」




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坂田副長はぁ人前で立ちションくらいぃ
屁でもありません。
Special thanks:くるみ様
(50万打記念企画より)



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