9 部活を見学する



「銀時ィ。喜べ、今日は一緒に帰らねえ」
「やっと気づいたか。うん喜んどく、そこは素直に喜んどく。ついでに明日も一人で帰るから」
「シケたツラしてやがんなァ。なんだ、とうとう土方にフられたか」
「ふ……!? フられてないフられてない、ないからねそんなのォォオ!? だいたいつき合ってもいねーし告白もしてねーから! 俺たちはまだ始まってもいねえから」
「始まる前から終わっちまったのか。残念極まりない野郎だ」
「そもそもはテメーのせいなんだかんな! 少しは申し訳なさそうな顔でもしろよォォォ!! なにシレっとしてんの、俺関係ねーみたいな顔してんの!?」
「ところでテメェ、俺が今日どこ行くか聞かねえのか」
「変わってねーよコイツ! 全然反省してねーよ! 申し訳なさそうな顔どこ行ったの!? お前のせいだっつったの聞こえた!?」
「今日は万斉と剣道部覗きに行くんでな。テメェは一人で帰りやがれ」
「剣道部……だとぅぅう?」
「おう」
「……」
「じゃあな、銀時」
「待ったァァァ! 高杉くん今までごめんなさい剣道部見学俺も連れてってくださいお願いしますゥゥゥ! 土下座でもなんでもしますからァァァ!」
「なっ、なんでも、だとぅぅう!?」
「絶対連れてってくれるならな?」
「じ、じゃあ、ここでキスしろ舌入れるヤツぶっちゅーーて」
「却下」
「テメェ! 剣道部見られなくてもいいってェのか!?」
「そっか、俺が自分で見学申し込めばいいんじゃん! 土方くんに頼んでこようっと。ついでに話も出来るし俺って天才! 土方くーん!」
「う……こっち来んな。なんだよ」
「そんな警戒しないでよ。あのさー、俺も見学行きたいんだけどいい? 出来れば低杉とは別口で」
「? なっ、仲いいんじゃねーのかよ」

「ああ、ベッタベタでグッポグポに仲いいぜ。俺と銀時は出しては入れ、入れては出す関係……」
「土方くんコイツはね、ちょっと厨二病拗らして大変なことになってるから気にしないで。いやハッキリ言って真に受けないで。じゃなくて一切合切間違ってるから聞かないで」
「ふざけんな。夜はずっと繋がってる関係だ」
「な? 馬鹿だろ、馬鹿としか言いようがねえだろ」
「ふーん。なんか良くわかんねえけど、じゃあ高杉たちは今日来いよ。さ、坂田は、あああ明日、」


「オイ銀時、なんだあいつションベン我慢してんのか」
「ちがーう! 俺の土方くんがそんなことするわけないだろいい加減ぶん殴んぞチビのくせに」
「だがよく見ろ、急にポケットに手ェ突っ込んで前かがみでモジモジ……って、我慢してんのァションベンじゃねーのかもしかして」
「もう黙ってお願い! なんでもしますけどベロチューはキッパリお断りします!」
「なんだと!? 仕方ねえ、少しなら触っていいぜェ」
「いやあぁぁぁ! 土方助けて!」


「??? やっぱ仲良さそうじゃねえか、今日まとめて来るか?」
「いーやーだー襲われる! 高杉に襲われるゥゥゥ!! 明日! 俺明日行くから! お願い!」
「お、おー……じゃあ、」
「いいの?」
「いいけど……明日は稽古短いぞ?」
「いい! 短くていい! じっとしてるから!」
「俺の竹刀貸すから……振ってくか?」
「えええ!? いいの!? やるやる!」
「そんで……あー……そのあと、あれ」
「一緒に帰ろ」
「!」
「土方と一緒に帰りたい。早く終わるんなら茶ァくらいできね?」
「〜〜〜! で、できるけど」
「じゃ部活見てちょっとやらせてもらって、二人で!マックとか行こ?」
「!!! あっ、明日な! 高杉早くしろよな! ってなに落ち込んでんだテメー」
「ほっとけクソ土方」
「はあァァァ!?」


(もう散々邪魔しただろ! もういいだろデートさせろよ! あと土方にクソって言うな!)
(クソにクソって言ってなにが悪ィんだアホ銀時! テメェなんぞ気持ち悪いパフェ食いまくって土方に嫌われろ! 嫌われろ! 大事なことだから俺は二度言うぞ銀時ィィィ)
(嫌われないもん! 俺はあいつのマヨラー度ごと愛してるもん)


「しーんすけ。迎えに来たでござるよ。一緒に行こ」

ぶわっ……

「万斉ぃぃぃぃ! 俺は銀時をぶっ壊す!」
「???」
「ハイハイ。こわいこわい。河上くんに慰めてもらいなね」





――そんで、ついでに俺のことは諦めてね






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