ちびこしょう。
診断メーカーネタ2
(片方が幼児化)

今日は友人が遊びに来るはずだった。……今年で32を迎えた友人が。
「お前……ほんとに胡椒なの?」
「ほんとうなの!ほんとにおれなの!」
話は数分前に遡る。

:

朝目が覚めると心做しか目線が低く感じた。そんなことあるわけないのだが。起き上がり、寝ぼけまなこで洗面台へ向かうと、鏡がない。………というか、鏡に届かないというか何というか。とにかく自分の背が異様に低くなっている。可笑しい。なんで?!とりあえず何か台になるものはないかと探し、乗り上げて鏡に届くくらいの高さに到達した。そして鏡に映った自分の姿を見て愕然としたのは言うまでもないかな。
「うそ………」
自分の顔は恐ろしいほど童顔で、身長は3歳くらいだろうか、とてつもなく小さくなっていて。シャツはダボダボ、こんなんじゃ歩くのも大変だよ。
「これじゃしおしゃんにあえない……」
日本語もうまく喋れなくなっちゃったのか、俺。
しかし今日は友人の家に遊びに行く日だった。こんな小さくなったくらいで一日潰すなんて御免だよ!何とかして伝えなきゃいけない。
「でもでんわ………」
仕方ない、会いに行った方が早い。外は生憎雨だ。しかしこんな事に負けてるようじゃ駄目だよね。面倒だと考えそうになるおれの中のキングオブテキトーを押さえ込み、割かし小さ目のシャツ(それでも十分大きいけど)と、どうせ見えないだろうし下は下着でいいや、と適当に着替えて塩の家に向けて出発した。鍵には届かなかったので台に乗って閉めた。台は外に出しておいた。お花でも乗ってれば違和感ないよね、と雑草と一緒に咲く花を一本抜いて置いておいた。

:

ぴーんぽーん。
遅せぇよ、何分遅れたと思ってんだ。若干イラつきながら、そう言おうと玄関のドアを開けると、目の前には見知らぬ男の子が立っていた。
「………………へ?」
「遅れてごめんなさい」
その男の子は丁寧に頭を下げて、俺に向かって謝ってきた。いや、急に謝られても困るんですけど。
「え、いや、どうしたのかな?迷子?」
「ちが、おれ!おれですせんせー!」
「は……え、お前胡椒?え??」
そして冒頭に戻るわけだ。
「と、とりあえず中入れ」
「あいがとー」
とんでもない事態だ。



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