お揃い。
診断メーカーネタ
(お揃いのものを押し付けられた2人。)

「あ、そういや塩さん」
まおと2人でドリクラの実況を撮り終わり、ダラダラと酒を飲みつつ喋っていると、突然まおが何かを思い出し徐に鞄の中を漁り始めた。
「なんだよ、なんか面白いもん?」
「いや、これ貰いもんなんですけど…」
まおが取り出したのは可愛らしいイルカのキーホルダーだった。裏には水族館の名前が入っていて、お土産売り場にでも売っていたのだろうか。しかしまおの手にはキーホルダーが2つ握られていた。
「何これ俺にお土産?なんで2つ持ってんの」
「俺とペアルックにしましょ」
「しねぇよ」
ハートでも飛んできそうなノリとウィンクを向けられたが軽く流し2つのキーホルダーを交互に見ていると、ちぇーと言う声が聞こえ、まおの方に目を向ける。
「でもどうしたんだよこんなもん。お前の柄じゃねえじゃん」
「だから貰ったんだって、聞いてます?酔っちゃって話も聞こえねぇのかなぁ」
「うっせうっせ」
そう返すと、まおは残っている酒をぐびぐびと飲み干し、少しフラつきながらもよいしょと立ち上がった。
「もう帰んの?」
「うん、明日用事あるんですよ。」
「はーん、そう」
「あーあと、それ2つともあげますよ、俺はとわぽんとお揃いのやつ貰ったんで!」
そう言うとまおは、顔の前でダブルピースをつくり、いいでしょーと笑った。
「はぁー?2つ貰ったって意味ねぇじゃん、どうしろってんだよー」
「hacchiさんでも胡椒さんにでもあげておそろっちにすりゃいいじゃん」
「hacchiがやるわけねぇよ」
ま、そういうことなんで!と、まおは玄関へ向かい、お邪魔しましたーと投げキッスを飛ばし帰って行った。
それにしても困った。丁度いい事に明日は実況を撮ることになっているからその時に渡せばいいのだが、いい歳した野郎がイルカのキーホルダーなんぞ小っ恥ずかしい。だが自分で2つ持っているのも気が引ける。取り敢えず今日は寝ることにした。

:

「あれ、こんなん前からあったっけ」
友人宅にて、見覚えのないキーホルダーを発見。可愛らしい装飾のなされたイルカのキーホルダー。こんな趣味あったのか、なんて思いつつ聞いてみた。
「ばかやろう見んじゃねえよ」
「いやだって置いてあったから」
可愛いね、なんて見ていると、
「まおに貰ったんだよ」
「、あー…そうなの」
俺が中々出てこれないのが悪いのは分かってる。分かってるけど少なからず嫉妬心を持ってしまうのは自分が弱いから。山さんが他の人を隣において、仲良くなって、贈り物を貰ったってそれが普通で、可笑しいのは俺の方。
「…それさぁ、まおから貰ったんだけどさ、2つあんだよね」
「へぇ、山さんとまおくん2人でお揃い?」
「いや、それがさ」
山さんはポケットからもう1つ同じイルカのキーホルダーを取り出して、俺に渡した。
「……何これ」
「まおが要らないっていうからさ、貰ったんだよ。それあげる」
吃驚した。俺か、俺とお揃いにするのか、そうか。なんださっきの嫉妬は、寧ろまおくんに感謝しなきゃいけないじゃないの。途端に笑顔になってしまった、駄目だな。
「お前なんで急にそんな笑顔になんだよ」
「えぇ?そんな、嬉しくなんかじゃないですよ」
「嬉しいって言っちゃってんじゃん」
可愛いなぁイルカ。何だかさっきより一段と魅力的に見えてしまう。
「センセー、俺、イルカ好きですよ」
「ならいいわ」
「ちゃんと付けてね、俺もつけるから」
「仕方ない」

結果
( 何だかんだあるけどお揃い付けたい )


prev next

bkm
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -