道



それに気付いた瞬間、少し恐ろしくなった。
いや、昨日の時点で気づくべきだった。
身体の機械で出来た部分に沿うように、全く日焼けがしていなかった。
(私の身体は、こんなに機械だったんだな…)
全てまったく焼けていないならともかく、皮膚の部分は普通に焼けてしまっていた。
(どうしたらいいのだろう)
人に見られると絶対に不審がられるから、どうにかして隠さなければいけない、そう思い、ニーハイソックスを鞄から引っ張り出す。
元々はここが寒いか暑いかわからずに取り敢えず持って来たものだった。
こんなところで役に立つとは思わなかったが、なんだか不本意だった。
まだ時間は早かった。
この家の住人を起こすのも嫌だったので、窓を全開にして、飛び降りた。
人が起きるほどの大きな音はしなかったものの、足が痺れた。

かと言って、することがなかった。
個室でじっとしているよりはやることもあるんだろうけれど。
思えばここには小学生の頃しか通っていない。
(中学…)
彼らの通っている中学へ足を運んでみようと思った。
もしかしたら、私が行っていた、かもしれない学校。

中学まではそこまで遠くなかった。
道がわからなかったので人に場所を聞いて聞いて、やっとそれらしき場所に着いた。
(…なんか…洋風…?)

今通っている学校とのギャップに少し違和感を覚える。
いや、洋風なのは当たり前だ。そこらの建物も全て洋風なのだから。
ただ、学校という身近で嫌でも行かなければならないような場所には初めてなんとなく違和感を覚えた。
(結構綺麗なんだな…)
ここで自分が暮らしていたらどうなっていたのだろう。
うまく馴染めていたのか、楽しく生活出来たか。
今とは違って、記憶が存在したまま、あの時の無邪気な自分で居られたのか。

prev next

 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -