朝になろうとしていたところで急に目が覚めた。
体は重い。けれど瞼は軽い。
カーテンから真夏の朝日が零れている。
「…」
今何時だろうと携帯を開くと、まだ明け方の4時半だった。
(起床にはまだ早いかな…)
そうは思っても一度覚醒した意識は中々手放せない。
取り敢えず立ち上がり、寝間着のまま部屋を出て、隣の部屋の扉を開ける。
「…」
彼は寝ていた。あまり綺麗な寝方じゃない。
こんな男と幼少期を過ごした自分が居ると思うと溜息が出る。
わたしはこんな奴とは違う。こんなに声は大きくないし、単純じゃないし、明るくないし、人からも好かれないし、話していてもこんなに楽しくはない。
(…どうしてこんなに正反対なんだろう…)
彼が寝返りをうったのを見てはっと我に返る。
静かに彼の部屋から退出したところで、自分が酷い劣等感を抱いていることに気づいた。
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