詰



「…お向かいさんの、大河君。祖月大河君。貴女なら解ると思いますよ?
あなたの幼馴染みの、今、一つ屋根の下
ううん、隣の部屋にいるんじゃないの?
今日は一緒にゲームをして過ごしていた彼ですがどうですか?」

ああ、怖い。アリアが怖い。
本当は、あいつが私の知ってる「大河君」。
アリアから一つ一つ事実を明かされるたびに、
頭が銃で撃たれたかのように痛い。

「や…やめて…知りたくない…」

「…貴女の今居る空間は私の管轄下では無いから手を下せない。
何故貴女はそこからここに越してきたかわかりますか?本当は覚えてる癖に忘れた振りをして貴女は自分の脳に自ら害を与え続けているのです。
けれどもう貴女は大丈夫、安心して欲しいんです。
私が言うのだから、だから安心して深呼吸して、
私の力ではなく、貴女の力で自分の過去を乗り越えて欲しいの。
…思い出した?
…『エルの治療の為』でしょ?
そして、その後に起こった事故でエルが…いえ、絵理香ガドウナッタカ」

「…ア…アリア…」

「…彼女は、今何処に居ますか?」

「…お、思い…出した…」

そうだ…私、式氏、式氏、―レイは。
ここに住んでいた。アリアと、エルと。
向かいの家には彼が、祖月大河が。


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