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能力者

名前は、大木にもたれ掛かるようにして、戦いの様子を眺めている

一切、手出しをする様子はない




今、麦わらの一味で戦闘体勢をとれるのは、ゾロ、チョッパー、ウソップの3人


既に、3人はかなり体力を消耗している


黒羽の一味は、名前にやられた香水女以外の5人は無傷で、3人が大きな刀を構え、2人は素手での攻撃体勢を取っている



状況は圧倒的に不利かと思ったところで、サンジ、ナミ、ロビンが頭を支えるようにしながら漸く、目を覚まし、体をゆっくりと起こした




「いったぁ〜い

なにこれ…頭がずきずきする…」

「どうやら、私達は眠らされていたようね

悪魔の実…能力者がいるってことかしら?」


ロビンも額を手で押さえながら、ゾロの方へと視線を向ける



「…ああ、あの後ろで伸びてる女の能力だ」

「あの女が放つ香水の匂いが、その匂いを嗅いだ相手を眠らせたり、吐き気を催させたりするんだ」

問いに対して非常に淡白な回答をするゾロを補足するようにチョッパーは、付け加えた



「あぁ!麗しのレディ!

おいこら!マリモ!てめぇがやったんじゃねぇだろうな!!」


「サンジくん!あんた、どっちの味方なのよ!」


「サンジ、違うんだ!俺たちは、あの女の能力のせいで一歩も近づくことができなくって…

そしたら…名前が…」


チョッパーは、名前の方へゆっりと視線を向ける

それに気付いた名前は、にっこりと笑みを浮かべ、軽く手を振ってみせた



「名前ちゃんが…」


複雑そうな表情のサンジとは違い、ナミはこれ幸いと名前に向かって大声で呼び掛ける



「あんたが、助けてくれたんだって?助かったわ!

ねぇ、その調子で他の奴らも何とかしてくれない?

私たち、もう既にボロボロなのよ!」



名前は、そのまま笑顔を崩さずちょいちょいとナミの後ろを指差した

「え?」



振り返れば、間近に刀を振り上げる男の姿



「きゃっ」


「シエンフルール」


男の背から生えたロビンの腕が、今まさに刀を降り下ろそうとする男の腕をガッチリと押さえ込む


「てめぇ、ナミさんに向かって!コリエシュート!」


男はサンジの蹴りが諸に頬に入り、後方へと飛んでいった


「ボヤボヤしてると命取り

しっかり、敵から目を離さず」



ナミはグッと下唇を噛み締める



「おい、ナミ!

そんな奴、あてにすんな!」


ゾロは、大声で苛立ちを露に叫ぶ



そして、二本の刀を交差させて相手に向かって猛烈に突撃





「おい、おい、おい、おい

これは、ヤベェよ


おい!起きろ!ルフィ!!いつまで寝てんだ!」


ウソップはルフィの両肩を掴んで、前後に力一杯に揺さぶる

「あー?サンジー、朝飯かー?」


「俺は、サンジじゃねえし

今は、朝でもねぇ!飯食う場合でもねぇ!

さっさと目を覚ませ!」


寝ぼけ眼を擦り、大きく伸びをしたルフィ


そこで、漸く、周囲の殺伐とした空気を悟ったらしい



「なんだー?お前ら、ケンカか?」


不意討ちのつもりで刀を持った男の一人がルフィに斬りかかるが、難なく避けられ、挙げ句に鼻っ柱が砕け散るほど、強く拳を叩き込まれた


遠くでその様を眺めていた名前は、クスクスと肩を揺らして笑う





「てめぇ、思い出したぜ」


烏の一味の一人の男が名前に目を向ける



「その小馬鹿にした笑い…

暗くて、顔ははっきりしなかったが、麦わらの一味の長鼻を助けに来た女だな!?」


港でウソップを襲ったときとは髪型にかなり違いがあるため、ウソップも気付かなかった



「…お前、あの後、麦わらの一味に入ったのか

てめぇには、色々と借りがある


この場で全部返してやるよ!!」


男は刀を振りかぶり、名前に襲いかかる









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