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再会した一味



昔、もう何十、何百年も前にロキとこの島を訪れたときは、もっと緑の溢れる自然豊かな島だった






今、島には大きな街がある

島の中心地を海賊たちが練り歩く






海軍基地が近いせいもあって、海賊たちは偉そうにのさばりながらも、簡単に揉め事を起こそうとはしない






そんな中、名前は真っ赤なヒールの踵を鳴らし歩く

黒のフレアのワンピース







ワンピースの裾にはワンポイントの大きな真っ赤な薔薇が一輪



薄ら寂しい胸元も大きく開いたデザインのドレスのおかげで、僅かばかりの谷間もセクシーに人目には映って見えた






「よぉ、姉ちゃん

ちょっと、俺らと遊ぼうや」



「私が探してんのは、あんたらみたいな小物じゃないよ」






さらりと、目の前に立ちはだかる男たちには目もくれず、足を止めることもなく歩き続ける





自分よりも圧倒的に小さな女が恐れのひとつも見せずに、歩き去ろうとすること





ちっぽけなプライドと海賊旗を掲げた、それもグランドラインを突き進んできてそれなりに名をあげた男たちには、屈辱以外の何者でもない






 「威勢の良い女は嫌いじゃねぇが、あまりに態度が過ぎると痛い目に遭うぞ、このあまぁああ!!」


 海賊は銀色に輝く大きなサーベルを振りかぶり、名前に突進を仕掛ける






 名前は静かに振り返り、牛のように大きな体を揺らしながら向かってくる男に反撃しようと構えるが、男は名前の元に辿り着くより前に体を大きく後ろに仰け反らせ、付近のバーに頭から突っ込むようにして吹っ飛んでいった






 「おいこら、てめぇ、可憐なレディにどんな無粋なナンパを仕掛けてんだ

  てめぇの顔を鏡で見てこい

  ナンパなんざ、100万年はえぇよ」





 この、黒のスーツにタバコの匂い

 女好き全開の台詞回し






 あまり嬉しくない再会の予感が脳裏を掠める







 「ふごぉお!ふがふふんりはば

 ふぉんふぁふぉふぉへ、まははうふぁんへな

 ふぉまえ、わわっへふぁいな」




 「ルフィ!何言ってるか、全然分かんねぇぞ

  呑み込んでから喋れよな」





呆れたようにウソップが顔を現す






そして、名前の方を振り替えると目を大きく見開き叫んだ





「おぉぉぉ!名前じゃねぇか!

 久しぶりだな

 お前も、グランドラインを進んでたんだな」






喜びを現すような大きな声

その声を聞き付けて、チョッパー、ナミ、ロビンも次々と姿を見せる





ただ一人、ゾロだけは浮かない顔をしていた






「みんな、久しぶりね

こんなところで、また会えるなんて思ってなかった」






実のところ、名前は久しぶりの再開を喜ばしくは思っていなかった

今回は、次の島へ行く手段を探していたわけではなかったから





しかし、あくまでも、名前は笑顔を崩すことはない




「で、ルフィ

さっきは何て言ったの?」





「俺の仲間になれ!!」

「・・・嘘つけ、ルフィ

そんなに短い台詞じゃなかったぞ」



「ん?そうか?」




ルフィの言うことはいちいち真に受けないとそろそろ心得ても良いんじゃなかろうかとウソップには思う







二人のやり取りを呆れ顔で見守っていると、ナンパ男の馴れ馴れしい腕が私の肩を抱き寄せた




冷たい視線を送るも、クドクドと情熱的な愛の言葉を休むことなく送り続けるサンジ







***
**
*







「でーんでんむーしむし、かーたつむりー

おーまえのあーたまは、どーこにある」




「角出せ!」

チョッパーが自らの角を蹄で握り前に突き出す



「槍出せ!」

次にルフィが頭の上で両の手のひらを合わせて延び上がり、ゴムの反動で弾み




「目玉出せ!」

最後にウソップが掛けていたゴーグルを突き出す






ぎゃっはっはっはっ


ルフィのそれは、槍か?という疑問が頭をもたげたが、水は差さない





「はい、名前ちゃん

特製のエスカルゴ料理だよ」



と、絶妙のタイミングでサンジが目の前に皿を置いた






「ねぇ、なんでさっきからでんでん虫やら、エスカルゴやらなの?」




「お前、知らないのか?

ここは、でんでん虫の島なんだぞ」




エスカルゴを頬張りルフィが胸を張って答えた





「・・・それって、ここがデンデン島だから、とか?」



ルフィがあまりに強気に胸を張って答えるものだから、不安を感じた





「そうだ!!」


呆れて、二の句が告げない






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